チェックしておきたいマンションの管理体制
「一般管理」と「一括管理」とは
次にマンションの場合、管理体制の確認をしなければなりません。管理には2種類あって、ハードの管理とソフトの管理に分かれます。
ハードの管理とは建物全体の維持管理のことです。共用部分の蛍光灯やエレベータの保守点検、大規模修繕などのことです。こちらは毎月管理組合に徴収される管理費と修繕積立金が充てられますので、金額が適正かどうかの確認はしておきましょう。
一方、ソフトの管理とは入居者の募集などを代行してくれる賃貸管理のことです。大きく分けると一般管理と一括借上げの2つがあります。一般管理と一括借上げの違いは以下の図の通りです。
それぞれメリット・デメリットがあります。一般管理であれば管理代行費の相場は家賃の5%ですし、一括借上げであれば家賃の10%が相場となります。一般管理は安いものの空室は避けられません。一括借上げは高いが空室リスクはないということになります。
立地や物件の種類によって使い分けることになると思いますが、管理会社の選定は最重要項目と言っても過言ではありません。最近では管理料を3%に値下げしたり、一律いくらという形態の管理会社も存在します。
しかし、重要なのは値段ではなくしっかり管理をしてくれるかどうかです。一般管理の場合、その管理会社の管理戸数と入居率がどのくらいなのかを確認しなければなりませんし、一括借上げの場合はその管理会社の管理物件の借上げ賃料の推移を確認しなければなりません。
他にも検討すべきことはたくさんありますが、上記のように物件の目利きは単に物件の見た目の良し悪しだけではないことがわかります。
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相続税対策と一口に言っても検討すべき事項はたくさんありますし、検討すべき順番も重要となってきます。
まずは法律面をクリアにすることが大事です。相続人ではない人が話し合いに介入して、話がややこしくなっているケースを良く見かけますが、話し合いに参加する権利のある人は誰なのかをまずは明確にしてください。
そして次に税務面においては必ず専門家に相談して相続財産と納税額の把握をすることが大事です。そして最後に相続税対策として具体的な行動を起こすという流れになります。
一番大事なところですが、これらは被相続人が亡くなってから行動するのでは遅いのです。家族で両親が亡くなった際の話はなかなかしづらいと思いますが、無用なトラブルを避けるためにも、盆や正月に家族が集まった際に少しずつ話す癖をつけるというのが最善の相続対策だと思います。