国際激流と日本

「性奴隷」ではなかった慰安婦の生活 改めて読み直したい米軍の「日本人捕虜尋問報告」

2014.12.31(水)  古森 義久

 前回の当コラム「米国政府の結論は出ている、慰安婦『強制連行』の証拠はなかった 日本糾弾勢力がひた隠す不都合な真実」で紹介したように、米国政府の各省庁作業班(IWG)の最終報告書が改めて脚光を浴びるようになったことも国際状況の変化の一端だが、この尋問報告もその文脈で改めて重視されるべきである。

 この尋問は、ミイトキーナ地域のレド収容所で1944年8月20日から9月10日にかけて行われた。尋問役は日本語の流暢な日系米人のアレックス・ヨリチ氏と記されている。その結果をまとめた報告書は、序文で次のような総括を述べていた。

 「慰安婦というのは日本軍将兵への便宜のために日本軍に随行した売春婦(娼婦)、あるいは職業的な軍隊随行者以外の何者でもない」

 この一文だけでもすでに中国や韓国、米国の一部、さらには国連での「慰安婦は日本軍に組織的に強制連行され、性奴隷にさせられた女性たち」という主張が虚構であることを裏づけたと言える。

慰安婦は多額のお金を持ち町へショッピングにも

 同報告書はさらに慰安婦の多様な側面について記していた。以下はその要旨である。

【徴集】

 「1942年5月、日本の民間業者たちが、東南アジアの日本軍占領地域での『慰安業務』に従事する朝鮮人女性を募集するため朝鮮に到着した。この業務の内容は具体的にされない場合も多かったが、一般に病院での傷病兵の慰問、包帯巻きなど将兵を慰めることと理解されていた。業者の勧誘ポイントは、高額な報酬、気楽な仕事で一家の借金の返済ができる、そのうえ、新天地シンガポールでの新たな人生の可能性もある、という趣旨だった。このような偽りの説明によって多数の女性が海外業務に応募し、数百円の前払い金を受け取った。女性の間にはすでに売春に関わっていた者たちもいた」

 「それら女性たちが署名した契約書は家族が前払いを受…
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