米国が2030年代の火星への有人飛行を目指し、中国やインドも宇宙開発で追い上げている。日本の宇宙開発はどうなるのか、宇宙航空研究開発機構(JAXA)幹部の寺田弘慈経営企画部長に中長期的な展望を聞いた。
日欧協力で水星探査機を計画しているほか、気候変動などの解明をめざす地球観測衛星の準備を進めている。火星への有人飛行については国際協力で日本も貢献する方向だという。一問一答は以下の通り。
■日欧協力で水星探査機
――2016年以降の中長期計画は?
「新宇宙基本計画は今後20年を見据えつつ10年間の長期的な整備計画と位置づけられている。科学衛星は2つ予定されている。一つは『ジオスペース探査衛星』(ERG)。イプシロン2号機で打ち上げる。『ジオスペース』というのは地球近傍の宇宙空間という意味で、非常に強い放射線が存在するバンアレン帯がある。人工衛星のコンピューターの誤作動を誘発するなど過酷な環境となっており、その生成メカニズムの解明を目指している。また(太陽風が暴れてその乱れで生じる宇宙空間でのプラズマの激しい流れ)『宇宙嵐』の謎にも迫る。2016年度の打ち上げを予定している」
「もう一つは『ベピコロンボ』という水星探査機。欧州宇宙機関(ESA)との共同開発の衛星で、ESAとJAXAの2つの衛星を同時に水星まで運び水星の表面や磁場を観測する。ESAとの共同開発の衛星としては、地球観測衛星『アースケア』もある。JAXAは雲レーダーを提供して大気中の雲やエアロゾル(浮遊微粒子)を観測する」
ジオスペース、アースケア、JAXA、ベピコロンボ、コンピューター、ERG
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