40代以降の不妊治療として注目を集める
卵子提供がおかれている現状
現状日本においては、卵子提供は匿名で行われるもの。まだまだ国内で卵子提供がタブー視されていること、ドナーと夫婦の関係が複雑になるのを防ぐことなどの理由に加え、現状のガイドラインで「卵子提供は法が整備された場合に認める。その場合匿名ドナーからで、近親者間は認めない」という事項が定められているからです。
卵子提供エージェントも、提供希望者とドナーの情報は外部に漏れないよう、徹底した個人情報管理をしなければなりません…が、過去に情報漏えいが起きた事例があるのだとか。
平成24年5月2日、Japan IVF Centerの記事が読売新聞に掲載された際、同意も無く新聞に顔写真を掲載したことで、情報が世間一般に広まってしまったとのこと。調べてみると確かに当日の記事が掲載されたブログ等があり当該写真もありました。
もし本当にブログに書いてある通り漏えい事件が真実で、個人情報の管理がずさんな素人集団(ブログより表現を拝借)だとしたら、自分の詳細なプロフィールはもちろん、卵子提供をしているとわかれば、国内では冷ややかな目で見られる可能性もあります。
何より、一度流出した情報はネット等で拡散されると完全に消し去ることは不可能と言われていますので、恐ろしい事態なことに変わりありません。
ただ、同じような内容の情報漏えいを糾弾するブログ記事は見つかるものの、肝心な情報漏えい自体のニュース元となる報道や記事を見つけることができない状況でした。
卵子提供について記事にする上で避けては通れないトピックスですが、情報元がはっきりとしない状態。ですので今回は、直接Japan IVF Centerに電話にて問い合わせ、エージェント側からの意見を聞いてみました。
電話で問い合わせてみたところ、こんな答えが返ってきました。
―「情報漏えいについて御社はどのようにお考えですか?」
はっきり申し上げて、情報漏えいの事実は一切ございません。掲載された写真ですが、新聞社の社内調査でも個人情報保護方針に基づいて撮影・掲載されたものだと結論がでております。
漏えい事件として取り沙汰された際、弊社からも再調査を依頼しましたが、情報漏えいの事実は無いことを再度確認しております。
―「記事や写真の画像から個人が特定される可能性はないんですか?」
取材を受ける際には個人を特定する情報は一切発信しておりませんし、写真の情報に関しても個人が特定されるようなものはありません。紙面に出る前には弊社に記事確認データが送られてきますので、社内スタッフで個人が特定できるようなものはないか厳しく審査をしております。
これは実際の新聞紙面を見ていただくのが一番だと思います。とても個人を特定できるサイズの写真ではありません。弊社オフィスにお越しいただければ、紙面を確認いただくことも可能ですよ。
―「ブログには放漫な運営、被害者続出とありますが…」
まったくの事実無根で、デタラメな情報の拡散に困り果てておりまして…。また、ほぼ同じような口調、内容、論調のブログが多いことに驚きを隠しきれません。ドナー様は勿論、卵子提供を希望される方の個人情報をずさんに扱ってきたことは一度もございません。
近年卵子提供に前向きになる方が増えた関係で、様々なメディアで情報を発信する機会をいただいておりますが、取材の方々には私共の個人情報に対する姿勢を理解していただいた上で取材を進めていただいております。被害者は続出どころか一人も出していない、というのが弊社の答えです。
不躾な質問にもかかわらず、問い合わせ窓口のスタッフの方は、非常に丁寧な受け答えで対応してくださいました。
実際にオフィスまで赴いて、新聞紙面を確認したわけではありませんが、ドナー情報は各エージェントの命ともいえる重要事項であることを考えれば、個人的な見解とはなりますが、情報漏えいが本当に行われたのかは、疑わしいと感じています。