東京駅:限定スイカ販売で大混乱 希望者殺到、中止に
毎日新聞 2014年12月20日 12時20分(最終更新 12月20日 16時19分)
JR東日本が20日午前、東京駅開業100周年を記念したIC乗車券「Suica(スイカ)」を限定販売したところ、購入希望者が同駅に殺到した。混雑で収拾がつかなくなったため約2時間半後に販売を中止。購入できなかった客が駅員に詰め寄るなど大混乱した。
同社は後日、販売を再開する。同社東京支社によると、スイカは東京駅の赤レンガの駅舎をモチーフにしたデザイン。1万5000枚の販売で、購入は1人3枚まで。午前8時の販売開始時間を前倒しし、午前7時14分に発売した時点で約9000人が列を作り、午前9時40分に販売を中止した。
同駅構内に掲示されていたポスターには、前日から徹夜で並ばないよう求める表現もあったが、実際には始発電車が到着した時点で多くの人が並んでいたという。販売中止が告げられると、買えなかった人が大勢、駅員に詰め寄り、駅員は「誠に申し訳ありません」と平謝りだった。
始発電車で朝5時過ぎに同駅に着いたという東京都新宿区の会社員男性(37)は「徹夜組に売ったのもおかしいし、列の整理もされず、最後尾がどこかすら分からなかった。買えないのは仕方がないが、『すみません』だけですむのか」と憤る。前日夜に上京し、午前5時から列に並んだ名古屋市の会社員男性(30)は「100周年を祝えない。せめて帰りの交通費を出してほしい」と言って肩を落とした。
インターネット上のオークションサイトでは、早くも転売を狙った出品が相次いでいる。「レア」「限定/美品」「大注目」などの触れ込みで出品されたものに入札が相次ぎ、正午前には正規の販売価格を大きく上回る約4万円まで値上がりしているものもあった。【一條優太、元村有希子】