PASSPO☆が1月1日に東京・TOKYO DOME CITY HALLにて結成5周年を記念したツアーのファイナル公演「PASSPO☆ 新年だよ!5周年とすこし便~全曲忘れず踊れるかな~」を開催した。
およそ半年におよぶツアーの千秋楽として開催されたこの日のフライト(ライブ)は、昨年9月に卒業を発表した奥仲麻琴のラストフライトということもあり、およそ3500人のパッセンジャー(ファン)が会場に集結した。
彼女たちはメジャーデビュー曲「少女飛行」からパフォーマンスをスタートさせ、序盤は結成初期の代表曲「Pretty Lie」などを1曲ずつ噛みしめながら歌い上げていく。また根岸愛、奥仲、増井みお、槙田紗子、玉井杏奈によるユニット曲「Shang Shang シャンデリア」終了後には、安斉奈緒美、岩村捺未、藤本有紀美、森詩織による“はっちゃけ隊”が奥仲のために“はっちゃけ卒業式”と題したコミカルな卒業セレモニー風の寸劇を実施。“はっちゃけ隊”と同じ半被とサングラスの奥仲がステージ中央に用意された椅子に座り、その周りをクルーやバックバンド“The Ground Crew”のメンバーが囲む。奥仲は岩村校長から卒業証書を受け取ると、クルーに混ざってて「気分はサイコー!サイコー!サイコー!」を一緒に歌唱し、フライトの序盤を陽気なムードに変えた。
10曲目からはメドレーコーナーに突入。クルーは21曲を一気に歌唱する。休む間もなく彼女たちはフライトでの人気ナンバー「Love Diary」や「Cosmic You」を挟み、バンド版PASSPO☆のセクションへと移行する。ここでは楽器を手にしたクルーたちによって「Perfect Sky」や「キャンディー・ルーム」といったナンバーが届けられ、さらにバンドバージョンの「BREAK OUT!!」と「2DAYS」も初披露された。
後半戦はThe Ground Crewのメンバーによる生演奏に乗せて、迫力あるパフォーマンスがスタート。序盤で彼女たちは「BABY JUMP~天国への搭乗便~」「ウハエ!」「WANTED!!」「Pock☆Star」といったハードなロックナンバーを畳み掛けるように披露し会場を大いに沸かせる。そして奥仲と増井によってこれまでのフライトで行われてきた寸劇“ダムダム物語”の映像をバックに「ダムダムフリーダム」が歌い上げられ、彼女たちの思い出のシーンをパッセンジャーと共有していった。
47曲目には彼女たちに楽曲提供した安野勇太(HAWAIIAN6)がゲスト登場し、クルーとともに「妄想のハワイ」「無題」を披露。また50曲目の「BEAST IN YOU」と51曲目の「Wish on a star」では4人の美女からなるストリングス・エアポートカルテットの演奏によって楽曲が彩られた。
フライトも終盤に差し掛かり、増井は「この声が出る限り歌い続けていきたい」という決意とともに「おねがい」を熱唱する。そのまま増井はThe Ground Crewのメンバーとして彼女たちを支え続け、昨年急逝した横山明裕から引き継いだベースを手にして「向日葵」を歌唱。増井は恩師・横山に対する感謝の思いと決意を胸にベースを弾きながら涙ながらに同曲を歌い上げ、最後は優しい表情を浮かべながら光が差し込むステージの天井を見上げた。
本編ラストでは「『I』」や「くちゃLOVE」といったキラーチューンがフロアに投下され、彼女たちはここまでで5時間半以上もコールを送り続けたパッセンジャーをさらに奮い立たせる。そしてラストナンバーにいく前には奥仲によってクルー1人ひとりに感謝のメッセージが伝えられた。奥仲は涙を流しながら「何を言うのか忘れちゃった」と言いつつも1人ひとりに感謝の気持ちを伝え、最後はパッセンジャーに対して「この5年間、今まで支え続けてくれてありがとうございました。いつも笑顔でいれたのはパッセンジャーさんのおかげです。幸せでした。ありがとう」と挨拶し、9人体制として最後のナンバー「TRACKS」を歌い上げた。
パッセンジャーからの大きな“麻琴コール”を受けて再びクルーがステージに登場すると、アリーナにはパッセンジャーによって作られた“光の滑走路”が現れ、それを見た奥仲は「じゃあ渡ってみようかな」とおどけてみせて笑いを誘う。そしてアンコールとして4曲歌い上げたあとは、キャプテンの根岸が最後の挨拶としてここまでの活動に対する思いを語り出した。その中で根岸は「PASSPO☆のメンバーは私たちじゃなくてもよかったんじゃないかって思ったこともありました。だけど今日はこの場で自信を持って言いたいです。PASSPO☆はこの9人で本当によかったです。そしてこれからのPASSPO☆は大丈夫だって思うんです。まこっちゃんは卒業してどんどん活躍してほしいし、私たちも負けないようにがんばります。だから2015年も皆さん、PASSPO☆に付いてきてください!」と涙ながらに語り、6時間23分にもおよんだフライトを大団円で締めくくった。
奥仲は最後に「この5年間、PASSPO☆にいたことを誇りに思います。そして皆さんに会えたことに感謝します。本当に5年間ありがとうございます。最後は笑ってバイバイしようと思います」とコメントし、笑顔のままステージをあとにした。
なおこの日のフライトの模様を収めたDVDが3月25日にリリース。さらに単独ツアー「PASSPO☆ワンマンフライトツアー2015~More Attention~」が3月7日の千葉・KASHIWA PALOOZAを皮切りに7カ所で開催されることが発表された。