次世代携帯:大手3社に…周波数答申、16年中に運用開始
毎日新聞 2014年12月19日 20時27分(最終更新 12月20日 01時00分)
電波監理審議会(総務相の諮問機関)は19日、携帯電話の次世代高速通信「第4世代(4G)」向けの周波数をNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの3社に割り当てる答申をまとめた。高市早苗総務相が22日に割り当て、3社は2016年中のサービス開始を目指す。
4Gは現在主流のLTEより10倍速くデータをやり取りすることが可能で、2時間の映画なら約30秒(LTEの場合は約5分)で取り込める。スマートフォンやタブレット端末を使った新たなサービスが期待されており、KDDIは16年6月、ドコモは同10月、ソフトバンクは同12月からサービスを開始する予定だ。
総務省は割り当ての条件として、利用者の通信量に応じた多様な料金プランを設けることを義務付けている。各社とも「(多様な料金プランの)考え方は示している」(総務省)といい、通信量が少ない利用者を対象とした低料金プランが充実する見込みだ。【横山三加子】
◇第4世代(4G)◇
携帯電話向け次世代高速通信の新たな方式。通信速度は光ファイバー並みの毎秒1ギガビット(ギガは10億)で、毎秒100メガビット(メガは100万)のLTEより10倍速い。
4Gの「G」は英語の「Generation(ジェネレーション)」の頭文字。1980年代に自動車電話などに使われた初期のアナログ方式が「第1世代」、デジタル化された93年以降の方式が「第2世代」とされる。2001年に登場したのが「第3世代」で3Gと呼ばれ、通信速度は毎秒14メガビット。一方、LTEは英語の「Long Term Evolution」(長期的な進化)の略で、4Gの一歩手前と位置付けられる。4Gのサービス開始後も当面は4GとLTEとの併用が続く見通しだ。
携帯電話大手が4Gの普及に弾みがつくと見ているのが、2020年に開催される東京五輪だ。NTTドコモは携帯電話の利用者が会場で試合を観戦しながら、スマートフォンやタブレット端末を使ってさまざまな角度の競技映像を受信できるような構想を描いている。KDDIも眼鏡型端末に過去の五輪の競技映像を映し出し、目の前の競技と比較できるサービスを検討している。