ソニー映画:北朝鮮が非難の「ザ・インタビュー」公開中止
毎日新聞 2014年12月18日 11時41分
【ロサンゼルス堀山明子】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の暗殺を題材にしたコメディー映画「ザ・インタビュー」を製作したソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE、本社ロサンゼルス)は17日、クリスマス休暇に合わせて25日封切り予定だった映画の公開を中止すると発表した。公開を控え同社は大規模なサイバー攻撃を受けていたほか、北朝鮮も映画を激しく非難していた。
SPEは17日の声明で「我々は映画配給を阻止しようとする恥知らずの試みに深い悲しみを覚える」と批判した。今後の劇場公開は未定だ。
サイバー攻撃を仕掛けている「平和の守護神」を名乗るハッカー集団は16日、「映画を見た者は苦い破滅を味わう」と、劇場へのテロ攻撃を示唆。また「クリスマスプレゼントがある」と、新たな攻撃もほのめかしていた。
CNNによると、全米に系列映画館を持つAMCなど大手4社が17日朝、映画館へのテロ攻撃を警戒して上映中止をSPEに伝え、SPEは公開中止を決断せざるを得なかったという。18日にニューヨークで予定されていた先行上映会も取りやめになり、広報宣伝にも支障が出ていた。
朝鮮中央通信によると、北朝鮮の国防委員会広報担当者は7日、映画について「最高指導者の威厳をおとしめてテロ活動を扇動する映画」と反発。サイバー攻撃への関与は否定しているが、AP通信によると、米捜査当局は「北朝鮮が攻撃の背後にいる」と指摘。米議会で北朝鮮への追加制裁論も出ている。