2015年、ゲームキャストの展望。ウェブのスマホゲームメディアの行方についての考え。
- コラム
- 2015年01月02日
2015年のメディアとしてのゲームキャスト(といってもゲーキャスはメディアといえるほど大きくないですが)の展望を書いていこうと思います。
まず展望を語る前に、ゲーキャスが見るところの2014年のウェブメディアの振り返ります(エラそうですが)。
スマホのオンラインゲームは、ウェブのゲームメディアに革命的な変化を及ぼしました。それは、「ゲームを紹介するメディア」から「特定のゲームをサポートし続けるメディア」へ変質させたことです。
有名ゲームの特集を組んでサポートすることは、紙の雑誌でも重要でした。例えば、ドラクエのような大作が発売されれば数号にわたって特集が組まれて、部数に貢献していました。
しかし、ドラクエの情報にも限度があるので永遠にドラクエを特集することはできません。情報を出し終われば、次に紹介するゲームを探す必要があります。
読者もドラクエをプレイし終われば、次のゲームを探し始めます。そこで「ゲームを紹介するメディア」が必要でした。
しかし、オンラインゲームが大ヒットしてこの法則は崩れました。
オンラインゲームはプレイヤーがいる限り永遠にアップデートされるので、情報に限度がありません。読者もプレイし終わらないので、永遠に情報を求め続けます。
この情報を追っているだけで、莫大なPV(ページビューの略、閲覧回数。これが大きいほど、メディアは大きいという目安)が稼げます。大ヒットオンラインゲームは、「無限ドラクエ」とでも言うべき金の鉱山だったのです。
そこで、有名メディアではこぞってパズドラの特集が組まれました。さらに、メディア側は『魔法使いと黒猫のウィズ』や『モンスターストライク』など、次のパズドラを探すようになります。
(念のために言っておきますが、パズドラが悪いと言っているのではありません。パズドラはゲームが面白く、運営も良い偉大なゲームです。ただ、大ヒットゲームが世の中のルールを変えたというだけです)
2013年は、どのメディアがどのゲームのプレイヤーを囲うか、という年だったと言っていいでしょう。
公式Wikiなどの流れもその一環です。企業でやっている場合、攻略情報、最新情報のスピードと正確さでは2chまとめやそのゲームが好きなプレイヤーのブログにはかないません。
しかし、公式化Wikiになれば先行情報などの発信源とできて他のサイトに差をつけられます。メーカー側もバグ情報などの拡散を防げて嬉しい。
そんな形で、2012年から2013年はウェブメディアが特定のゲームをサポートするメディアへと変わっていきました。
では、2014年はどうなるのでしょうか。
公式Wikiや攻略情報を流し続けるメディアには、1つの悩みがあると思っています。
1つのゲームの情報を流し続けると、その他のゲームの読者は離れていきます。1つのゲームだけならばまだしも、2つ、3つとサポートするゲームが増えればサイトの更新情報はそれで埋められてしまうのです。
また、読者も特定の情報を見たい層に偏ってしまい、他の記事に興味を示さなくなっていきます。
多くのウェブメディアは広告をもらって生きているので、広告記事を書いたときにPVが低くては困る。では、どうするか。
単純な話としては、サポートしているゲームからお金をもらい続ければ安泰ですね。ただ、それはかなり難しい。
とすると、非公式のWikiにして速度を重視して広告を貼るか(大量にゲーム攻略サイトを運営する形式)、公式wikiとしてきっちり運営し、広告をもらったときにサポートしているゲームのプレイヤーを広告をもらったゲームに移動させればいいのです。
後者の場合は、初代PS〜PS2時代の電撃プレイステーションのように「読者と一緒にゲームを遊ぶメディア」を実現する必要があると思います。かつての電撃は独自の視点でゲームを探して「これ、面白いよ!」と言い、攻略記事も「この人、やっているな」という内容で読者の信頼を得ていました。FF11を一緒に遊び、一緒に盛り上げたりもしていましたね。
その、「一緒に遊ぶメディア」となってユーザーに支持を得るスタイルが有効なのだと思います。
例えば、特定のライターが特定のゲームをやり込んでいて、Twitterなどで情報発信し、動画に出てプレイヤーの共感を得てプレイヤーの信頼を集めるのです。そのライターが「△△も始めました」などと言えば、ある程度の移動を見込めます。
すでに2014年から始まっていますが、2015年はライターのタレント化が重要になるのではないでしょうか。
基本的にゲーマーは敏感なので「そのゲームが好きではない」人の記事は見分けがついてしまいます。だから、こういった流れを見込んで「特定の人気ゲームが好きで日常的に、能動的にプレイするライター」や「専門性が高いライター」の需要が高まるでしょう。
また、2015年に限って言えば「容姿端麗」とか「身だしなみに気をつけている」などがスマホゲームライターの募集条件になっていても驚きませんね。
また、メディアの名前ではなくて、メディアに所属する個人が重要な時代になってくると思います。例えば、ホリプロの人気芸能人に興味はあっても、多くの人はホリプロ自体には興味がない、と言ったように。
この「メディアの番組!」ではなく、「このメディアのこの人の番組!」という形が伸びてくるでしょう。
ゲームキャストはどうするのか
さて、そんななかでゲームキャストはどうするか。
オンラインの基本無料ゲームが重要になる中で、メディアにとって1回しか記事にできないゲームの価値は軽くなっています。
2013年、体力のないメディアの方からは「もう有料ゲームの記事は書けない」と言われていましたが、今は「無料ゲームでもネタにならないゲームは書きづらい」という声も聞こえてきます。
多くのメディアが次の大ヒットゲームをいち早く取り上げ、プレイヤーを取り込む方向にシフトしています。
ですが、そう言った流れとは関係なく、好きなゲームを、好きなように取り上げていこうと思います。
有料ゲームやインディーゲーム、面白いネタゲーなどを積極的に紹介していきたいと思います。「新しいゲームを探す」機能を重視します。
従って、超人気が見込める基本無料ゲームはレビューにとどめ(自分が取り上げなくても他が盛り上げてくれるし)、マイナーで良さそうなものがあれば拾い上げたいと思います。
さらに運営が信頼できると思えたゲームがあれば継続的にサポートしたいですね。
「ある程度の面白さがあって」、「ユーザーに嘘をつかずに誠実でいてくれれば……」などと言っていては広告がもらえるわけがないのですが、それでもいいという剛毅なメーカーの方はご連絡ください。
最後になりますが、もっとゲームキャストのように「自分が面白いと思うもの」を勧めるサイトが多く成長すればいいな、と思っています。
「運営がクソでもゲームはおもしろければいいんだよ!」という価値観のサイトや、「有料以外はすべてクソだから無料ゲームは紹介しない!」でもいいですし、多様な価値観のサイトが入り交じって、プレイヤーがそれぞれの好みでサイトを選べればいいと思っています。
なので、独自の視点のサイトを見つけたら、積極的に紹介していこうと思います。
ここまでまとめて気づいたのですが、結局「ほとんど去年と一緒」です。新しいゲームの情報を参考になる形で届け続ければ、他のメディアから新しいゲームを探したい方が来るようになる、と考えています。
そうすれば、勝手にサイトは成長するでしょう。
ちなみに、ゲームキャストは2014年、こんな感じのゲームが好きでした。
2014年、日本のiOSインディーゲームベスト10。君はもうこのゲームを遊んだか!?
でもって、2015年はこんなゲームに期待しています。
2015年、期待のスマホゲーム10選。発売が待ちきれないゲームばかり!
これらを見て感性が合うと思った方、そして今までの読者の皆さま、2015年もゲームキャストをよろしくお願いいたします。
コメント一覧
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- 2015年01月02日 20:24
- PlayOnlineという意欲的な海外ゲーム誌が移転や合併を経て
記事中にあるような攻略誌となってゆき、寂しく感じたのを思い出します。
それ自体も一つの方針ですが、やはりゲーキャスさんのスタイルは応援したいものです。
事実、去年何タイトルも参考に購入してしまいました。
時々「もう少しソフトな表現にしては…」とヒヤリとしないでもないですが:-)
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- 2015年01月02日 20:27
- ナンバーワンよりオンリーワン。まぁ、オンリーワンのほうが難しいんだけども、無理のない程度で今後とも突き抜けてほしい。
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- 2015年01月02日 21:16
- せっかくの機会なので言いたいことを言わせてもらいます。
>「自分が面白いと思うもの」を勧めるサイト
どうもこれが胡散臭いんですよね…例えば「ぷよクエ」や
「ドラコイ」「白猫プロジェクト」なんかリリース当時は
異常なほどハマってやりこんでいる感を出していたにも
関わらずある日を境に一切これらのゲームの話題に触れなく
なるでしょ?その割には「ジョジョSS」の時みたいに引退記事
が無いんですよ。だから「金を貰って記事を書いてるのかな?」
と思ってしまうんです。本当に面白いと思って薦めたなら
最後までそのゲームを追いかけてほしいと思っています。
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- 2015年01月02日 21:22
- 確かにドラコイは異常なほどハマっていました。一時期起動しなくなってやめましたが。
白猫はハマっていると言うよりも「スゴいもの出た!」という感じで書きましたが、他のサイトがどんどん記事書き始めてやめました。
とくに嫌なこともなくフェードアウトしていったゲームは、何も書くことなく終わるんですよね。
「飽きてやめました」とか「起動しなくなってやめました」とか、わざわざ引退を記事を書いても意味ないですし、書く必要はないと思っています。
正直、金もらっていたらぱっとやめられないですよ!
ただ、そのうち「やったゲームまとめ」的なものは書いてもいいかもしれませんね。
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- 2015年01月02日 22:07
- ジョジョSSの引退記事はよっぽどの理由があったからでしょ・・・
金の臭いがプンプンして胸糞悪いスマホゲーのサイトが氾濫してる中でゲームキャストはある意味で潔さを感じるからずっと見続けてる
セガに偏ったりクソゲー紹介したりする所も持ち味だし正直な路線で続けて行ってくれる事を願うよ
でももし俺が広告主だったらゲーキャスに金出して広告して欲しいとは思わないわwwwwwwwwよっぽどゲームが良くなければDL増えなさそうwwwwww
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- 2015年01月02日 22:33
- そして、ゲームがよっぽど良ければ……放っておいても記事を書くと。
すると不思議、ゲーキャスに広告を出す理由がまったくありません!
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- 2015年01月02日 23:31
- ゲーキャスの記事は主観的でけっこう偏りがあって、でも反対意見が出ても反論するだけで、受け容れることも無いから、どうしても見てる方は”ただ書きたいことを書いてるんだな”と感じてしまいます。
それでいいならいいけど。
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- 2015年01月03日 01:29
- >「容姿端麗」とか「身だしなみに気をつけている」などがスマホゲームライターの募集条件になっていても驚きませんね。
そういえば、顔出し美女ライターはまだどのメディアにもいませんね。普通のライターの比にならない位の集客が見込めると思うのですが。
裏方のはずの声優が容姿が最優先事項になったように、歌って踊るゲームライターの時代がやってくることが待ち遠しいです。チェンクロや白猫が人気声優を起用し、彼ら彼女らが実際プレイして宣伝してるのはその流れの端初のような気もします。
>ただ、そのうち「やったゲームまとめ」的なものは書いてもいいかもしれませんね。
これは期待しています。ゲーキャスさんが他でも扱うような大ヒットゲームを扱わないのはわかるんですが、そういったものも含め、具体的に普段どうゲームアプリと付き合っている(いた)のかは前々から知りたかったところです。
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- 2015年01月03日 02:54
- ゲーキャスさんはヘビーゲーマーであるにも関わらず、
ソシャゲーでもよいものはよいとほめるところが好きですね。
それはPay To Winではないという観点だけではなく、スクストみたいに
「もうここまで突き抜ければアリ」みたいにある意味割り切った評価するところも
含みます。
ゲーキャスさんはそういう意味で、マスとインディーズの中間みたいなブログなので、
個人的に重宝しています。がんばってください。
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- 2015年01月03日 08:17
- 主観的で偏りがある個人メディアだから面白いんじゃないですかね。私は先代に自分の関わったゲームを貶されたことがあって、当然ムカつきましたが、それはそれ、です。
金もらってアフィ貼ってコネ繋いで最終的にバズ系メディアにブログごと売っ払って儲けるのも悪くはないから是非そうなさるといいですが、現状の思い込みと好き嫌いと青臭い正義感で誤字脱字だらけでも毎日が楽しいブログを続けてくださる間は読み続けます。
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- 2015年01月03日 11:43
- 上の方で不満を書いてる人が理解出来ません。
ゲーキャスさんはあくまで個人のサイトなのですから、思った事を自由に書けば良いと思います。
嫌なら読まなければいいですし、コメントに持論を書くのなら、御自身でブログなりに書けば良いのにと思います。
たまに、うーん…と思う記事がありますが、それも含めてゲーキャスの魅力だと思います。
今のままのスタイルで今後も更新を頑張って下さい。
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- 2015年01月03日 12:46
- コメント読んだら1さんが自分と全く同じ意見だったのでびっくりした。
ゲーキャスさんにはいつもお世話になってます
なんだろう、ブログの書き方が好きなのかな…これからも見続けますよ!
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- 2015年01月03日 23:17
- 個人の意見がなければ、個人のブログである意味はないと思うので、そこは強く押し出していきます。
ゲームは「自分が気に入れば面白い」「気に入らなければつまらん」というモノだと思うので、それでいいと思っています。
一定の感性で紹介し続けるから参考になるのかな、と。
同じように記事を書けるならバイアウトもいいと思うのですが、売った結果で芯のないなんでも褒めるブログになるなら閉じる方がいいでしょうねぇ。
一方で、ゲーキャスはもう少し頭を柔らかくしたいと考えているので、今年は柔軟に行きたいと思っています。
なんにせよ、今年はゲーム記事を書きつつ、態勢としては大きく変えていきたいと思っています。
何時からかACさんとGCさんの記事しか見なくなったのは、今でも掘り出し物を紹介してくれてるからです。今年も期待してます。お金も時間もかかる仕事だと思いますけど、頑張ってください!!