2015年1月3日19時35分
3日午前6時10分ごろ、兵庫県豊岡市城崎町湯島の城崎温泉街にある電器店「佐藤ラジオ店」で、火が出ていると近くの住民から119番通報があった。豊岡市消防本部などによると、火は約5時間半後の11時30分ごろに消し止められたが、8棟が全焼、7棟が半焼するなど計約2730平方メートルが焼けた。焼け跡から同店経営、佐藤正志(まさし)さん(66)の遺体が見つかった。
県警などによると、遺体は木造2階建ての同店2階住居部分から見つかった。また、半焼した民家で一人暮らしをしている女性(88)と連絡が取れておらず、安否確認を急いでいる。4日以降に消防と合同で現場検証を実施し、出火元や原因を調べる。
現場はJR山陰線城崎温泉駅から北西約350メートルの、店舗や旅館が立ち並ぶ温泉街の中心部。城崎温泉観光協会によると、登録のある旅館約70軒で被災は確認されていない。現場近くの旅館2軒は一時、宿泊客58人を約200メートル離れた豊岡市城崎支所に避難させたという。
城崎温泉は志賀直哉の小説「城の崎にて」の舞台となったことでも知られる。冬季は名物のズワイガニを目当てにした宿泊客らでにぎわう。
■「消えたと思ったら、また次に」
3日早朝に発生した兵庫県豊岡市の城崎温泉の火災。現場周辺の旅館では宿泊客を避難させるなど、温泉街は一時騒然とした。
近くの旅館に宿泊していた和歌山県の女性(30)は「旅館の従業員に『逃げて下さい』と促されて外に出ると、黒い煙が立ち上っていた。不安だった」と振り返った。
自宅兼薬局が全焼したという小田保子さん(71)は午前6時過ぎ、異臭で目が覚めたという。部屋の窓を開けると、辺り一面が真っ赤に燃えており、「火事だ」と叫びながら夫(72)を起こして避難したという。
また、現場近くで精肉店を営む女性(80)は、豊岡市消防本部が流した防災行政無線で火災発生を知った。現場は古くからある木造家屋の密集地域で路地が細く、消防関係者が放水のホースを引くのに苦労していたという。「消えたと思ったら、また次にという感じで燃え広がった。うちにも近くまで火が迫ってきて、本当に怖かった」と話した。
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