記事詳細
大学生「就活自殺」7年で200人超 思うように内定得られず追い詰められ… 専門家「解決には雇用環境の改善必要」
就職活動がうまくいかない大学生が精神的に追い詰められて死を選ぶ「就活自殺」が、平成25年までの7年間で218人に上ることが、警察庁のまとめで分かった。各大学は最悪の事態を防ごうと対策に乗り出しているが、自殺者数は、雇用環境と密接に関係するともいわれており、専門家は「解決には、雇用環境を改善することが先決だ」と指摘している。
警察庁によると、自殺原因の詳細な分析を始めた19年以降、自殺した大学生は3516人。そのうち遺書などの記述から「就活の失敗」が原因とみられるのは218人だった。雇用環境との関連を証明するように、景気が回復したとされる25年は、前年より17人減少した。
各地の大学も、学生の支援に力を入れる。学生の自殺が続いた富山大は21年、「自殺防止対策室」を設置し、昨年度から学生支援センターが業務を引き継いだ。教職員に対して自殺防止の基礎知識をレクチャーするほか、学生が入居するアパートの大家にも、異変を察知した際、早期に連絡するよう依頼している。