紀伊國屋の渋谷店が、女性向けの企画とやらをツイートして盛大に叩かれていた。
ツイートやコーナーに飾られた企画説明によると、女子の意見を一切聞かずに、書店の男性店員が選んだ女性に読んで欲しい本という企画で、女性客を馬鹿にしてんのか、っていう文章のオンパレードだった。
お前らに好かれたいがために読むわけじゃねぇんだよ!と言われたいのかな!??ドMなのかな???? pic.twitter.com/dDKDYPhTNz
— eiki (@_e1k1) 2015, 1月 2
紀伊国屋の「本当は女子にこんな文庫を読んで欲しいのだ」フェア、フェア名のひどさもさることながら、POPに書いてあったという「東野圭吾と村上春樹しか知らないのは、勿体ないと思うのです」っておま…wwww紀伊国屋でお買い物するようなガチ本好き女子を敵に回したなwwwww
— くろねこinステラー大海牛 (@96neco46usa) 2015, 1月 2
「これを読む女はモテる!」みたいなPOP付きの文庫とか純粋に読みたいと思ってても恥ずかしくてレジに持っていけないしamazonでポチるしかないしこのクソPOP考えた担当者死んでほしい
— ましお (@m_sio) 2015, 1月 2
本を楽しむ自由さを、ドヤ顔で全力でつぶしにきてる感がすごい。
そして、ヘテロ恋愛市場になんでも持って行こうとする安直な姿勢。
元ツイートは、予想外の反応に焦ったのかすぐに消されてしまった。
このフェアも撤去するらしい。
(フェアっていうか、小さいコンテナにおすすめの本とがっくりくるようなポップ飾って乗っけてた小さいものだったけど)
文庫担当の平山と申します。「本当は女子にこんな文庫を読んで欲しいのだ」フェアは私も選書をいたしました。他意はなく、男女別なく面白い本をお勧めしたいという趣旨でしたが、多くの方に不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。該当ツイートを削除いたします。大変申し訳ありませんでした
— 紀伊國屋書店 渋谷店 (@KinoShibuya) 2015, 1月 2
いや、元ツイートのあの内容で男女別なくは無理あるだろ。
男子が選びましたーって言ってたやん。
完全に男女区別した企画やないかって思うし、人に本勧めるくらいだからそれなりに本読んで教養を深めてるだろうに、女性向け企画として提案するのが「SF理解すれば男にモテるよ☆」ってなんだそれは。
せめてそこは、SF面白いよ、だろうが!
本を買いに来てるのに、こんな「女は東野圭吾か村上春樹くらいしか読まないだろうから、男の俺が色々と教えてあげよう」的な上から目線で女に本読んで欲しいなんて企画、客を馬鹿にするのもいい加減にしろって感じだが、どうやら出版社12社が協力して「文庫女子」フェアなるものを展開しているとか。
「文庫女子」フェアは、文庫の売上低迷を打破するために、「文庫をもっと読んでもらう」ことを目指して店頭の仕掛を強化します。
様々な販売データの分析から、「書店には20代~30代の女性客が多く来店しているにも拘わらず、文庫購買比率が著しく落ちる」ことが判明。
そこで文庫の増売には、まず20代~30代の女性をターゲットにした施策が効果的だとの考えから今回のフェアを企画しました。
「文庫女子」フェアでは、この年代の女性が「食べ物」や「健康」などの流行を毎年生み出していることに着目し、「文庫を持つことがオシャレである」というトレンドを作り出すことを目標としています。
出版社12社と連動し、第1回「文庫女子」フェア開催 - TOHAN website
この"文庫女子"ってフェア?もウケる。この画像見てよ! pic.twitter.com/bHAliJY1ye
— 乙女座女子 (@virgootome) 2015, 1月 2
そして極めつけはこれだ!
ピンクだらけの画面に、ふにゃふにゃしたフォント、ハートマーク。
並んでいるのは殆どが恋愛本ばかり。
まさに、ダサピンク現象現る!って感じである。
これ見て、今まで本買わなかった人が買いたいと思うなんて本気で思ってんのかよ!!
てなわけで、ムカムカしたので、私も対抗して女性におすすめする女性主体の本を勝手に紹介します。
あ、私の好みなので、当然百合(レズビアン)要素を含むものが多いです。
- 作者: 深見真
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/11
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- 作者: 深見真
- 出版社/メーカー: 講談社
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深見真氏の作品といえば、ムキムキのレズビアンアクションがみどころ。
特にこの2つはハードなのでオススメ。
シリーズ作品のヤングガン・カルナバルも大好きです。
- 作者: 皆川博子
- 出版社/メーカー: 光文社
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皆川先生の書く女海賊の一生なんて、面白くないはずがない。
一冊が鈍器になるくらい分厚いですが(しかも上下巻)、読み出したらとまりません。
女族長として前線で部下の男たちを引き連れる様は最高にしびれる。
フェミニズム要素も強く、読み応え十分。
- 作者: 村田喜代子
- 出版社/メーカー: 新潮社
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村田喜代子は私の大好きな作家。
これは熊本の廓に売られた少女の話。
遊女の話といえば、壮絶な悲恋ものが定番ですが、これは愛だの恋だのは二の次で、女の人権と労働問題をどこかユーモア混じりに非常にうまく表現しています。
村田先生の作品は他も面白いものばかりなので、是非。
- 作者: 津村 記久子
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
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津村記久子もずっと贔屓している作家さん。
どれをオススメしてもいいんですけど、個人的には初期の作品の方が好きなのでこれを。
学内ヒエラルキーの低い女子の学校生活とか、友情とか、音楽とか。
津村さん、時々男性主人公の作品を書くけど、絶対に女性主人公の方が面白いと思う。
以下は、女性同士の絆とか恋愛とか、フェミニズム要素あったりとかで面白かった作品を並べてます。
- 作者: 村田沙耶香
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- 作者: 桜庭一樹
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- 作者: 栗本薫
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- 作者: 米澤穂信
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- 作者: 乾ルカ
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- 作者: フランチェスカ・リアブロック,Francesca Lia Block,金原瑞人
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- 作者: マーセデス・ラッキー,山口緑
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- 作者: アン・ハリス,河野佐知
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- 作者: 山下卓
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ひとまず、こんな感じです。
これでも結構絞ったんですけど、ちょっと紹介しきれない…。
そんなわけで、ヘテロ恋愛ものオススメしとけば女なんて釣れるでしょwみたいな、そういうのにいい加減うんざりしてる女性は読んでみて下さい。