みんな大好きオタサーの姫みたいな喪女がかわいい女の子に叩きのめされた話だよ。
前提として自分は女だけど男性比率の高いジャンルで本を出している。その影響もあり、界隈でオフ会をすると大抵周りは男性ばかりになる。その中で恋愛する気はないのでいわゆるオタサーの姫やサークルクラッシャー的な行動はしていない(と自分では思っている)が、客観的に見ると集団内に女が一人というのはやはり姫のように見えるのだろうと思う。思っているが、趣味の集まりはやはり楽しくて、自分が女一人だからといって抜けようとはなかなか思えない。
いつものように私が女一人だと思っていた。
珍しくオフ会に来た、私にとって初対面の人。ネット上で話している時には気づかなかったけれど、その人は女性だった。
かわいい子だった。ふわふわの茶髪にきらきらのピアス、見た目が全然オタクっぽくなくて、年齢もその場では最年少。コミュ力もある。
しかも話してみれば、男性オタクの濃い話にも話題を合わせられるほどコンテンツに詳しい。
ああ、負けたなぁと思った。
自分はオタクが抜け切らないような容姿ににわかな知識を持ち合わせただけの中途半端な存在で、彼女は私が憧れたかわいいオタクな女の子だった。
まとめブログの出来事みたいに周りの男が彼女ばかりちやほやしたとか、それで私が彼女にキレたとか、そういうみんなにとって爽快な展開はなかった。残念ながら。
ただ私は、なりたかったけれどなれなかった憧れの女の子を象徴したような彼女と出会ってしまって、羨ましくて妬ましくて悔しいと思ってしまった。
アニメをたくさん見ていたら偉いわけじゃない。古参だから偉いわけじゃない。そういうのを大事にする人もいるかもしれないけれど、私は好きなものが好きであればそれでいいと思っていた。でもたくさんのアニメを見ていてオタク歴の長い彼女と話してから、嫉妬のような気持ちがもやもやと残り続けている。そういうことが気になってしまう。年上の男性オタクたちとばっちり話が合う彼女に置いて行かれたような気分になったせいかもしれない。
結局まだ私は彼女のなにが羨ましかったのかよくわかっていない。かわいらしい容姿か、豊富なオタク知識か、それとも私より年下なのに長いオタク歴なのか。いつものオフ会メンバーにすごく気に入られたことだろうか。それでも私は彼女のことを羨ましく思っているということはこうやって書き連ねていってよくわかった。
私自身も彼女のことを気に入ってしまったことが、一番悔しいかもしれない。私の思い出の小説について話せたのは、高校を卒業して以来、彼女が初めてだった。