エルニーニョ:5年ぶり発生で暖冬見通し 今週末は寒く
毎日新聞 2014年12月10日 20時15分
気象庁は10日、今年の6月からエルニーニョ現象が起きていたと発表した。2009年夏〜10年春の発生以来5年ぶりで、日本では暖冬になる見通し。ただ、今週末にかけて冬型の気圧配置が強まるため、気温は各地で平年並みか平年より低くなると予想される。日本海側では大雪の恐れもあり、同庁は注意を呼びかけている。
エルニーニョ現象は南米ペルー沖の東太平洋の赤道域で、海面の水温が高くなる現象。気象庁は「海面水温の直近5カ月間の平均値が半年以上、基準値(過去30年の平均値)より0.5度以上高くなった場合」と定義している。同庁は今春からエルニーニョ現象の発生を予想していたが、7〜9月の東太平洋の海面水温が想定より上がらないため、9月に発生の可能性を下方修正していた。
しかし、その後に東太平洋の海面水温が上昇し、11月の観測では直近5カ月間の平均値が4カ月続けて基準値より0.5度以上高くなった。さらに、この傾向は今後2カ月間は続く見込みになり、同庁はエルニーニョ発生の定義を満たすと判断した。来年2月ごろまで続きそうだという。
一方、衆院選投開票日(14日)の前後には偏西風が南に蛇行する影響で、大陸から強い寒気が入り込む見通し。そのため、北海道から山陰にかけての日本海側では大雪になる所もありそうだという。同庁は「暖冬傾向でも短期的には寒くなって大雪も降ることもある。注意が必要だ」としている。【奥山智己】