米海軍:レーザー兵器の運用開始 小型船舶を破壊する能力

2014年12月13日

輸送揚陸艦「ポンス」に搭載されたレーザー兵器=米海軍が公開した動画から
輸送揚陸艦「ポンス」に搭載されたレーザー兵器=米海軍が公開した動画から

 【ワシントン西田進一郎】米海軍はペルシャ湾に展開する輸送揚陸艦「ポンス」に搭載した「レーザー兵器」の運用を始めたことを明らかにした。レーザー兵器は「戦い方を変える」とも言われる最新兵器で、海軍艦船での運用は初めて。現在の出力は小型船舶や無人偵察機の一部を破壊できる程度だが、海軍はより破壊力の強いレーザー兵器を開発し、駆逐艦や沿海域戦闘艦などへの導入も目指す考えだ。

 海軍によると、運用を始めたレーザー兵器は、隊員がモニター画面上で目標物を追い、テレビゲームのコントローラーのようなものを操作して目標にレーザーを照射し、一瞬で破壊するもの。輸送揚陸艦には数カ月前に搭載し、今年9月から試射などを繰り返してきた。強風や酷暑など厳しい気象条件下でも問題なかったという。

 通常のミサイルは1発の発射に数十万ドルかかるが、「レーザー兵器は1発1ドルにも満たない」(海軍研究局のマシュー・クランダー局長)。電源がある限り運用でき、現在のように爆発物を大量に艦船に積み込む必要がなくなるため、艦船や乗組員たちの安全にもつながるという。

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