全国学テ:学校別公表6%の104教委 序列化防止に配慮

毎日新聞 2014年12月09日 12時04分(最終更新 12月09日 12時36分)

今年度全国学力テストの市区町村教委の結果公表状況
今年度全国学力テストの市区町村教委の結果公表状況

 ◇文科省、11月1日時点で調査

 今年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト、小学6年=国語・算数、中学3年=国語・数学)について、全市区町村(政令市含む)1756教委のうち約6%の104教委が、管内の全学校の結果を何らかの形で公表したことが文部科学省の調査で分かった。ただ、実施教科の「平均正答率だけ」を公表したケースはなく、個別の問題ごとだったり観点別の正答率にしたりするなどして「配慮」。学校の序列化につながる恐れがある公表には慎重な姿勢が浮かんだ。

 学テの実施要領が改定され、今年度の結果から市区町村教委による学校別結果の公表が解禁されたほか、都道府県教委も市区町村教委の同意があれば市区町村別や学校別の結果を公表できるようになった。公表する場合は、改善策などを併せ、一覧表や順位付けは禁止されている。

 同省が11月1日時点の状況を調べた。全国の1756の市区町村教委(政令市含む)のうち、市区町村立学校の結果(全学校または一部の学校)を何らかの形で公表したのは114自治体(6.5%)で、このうち全学校別の公表は104(5.9%)だった。公表内容(複数回答)は、生徒らへのアンケート結果70自治体▽教科の平均正答率32自治体▽「読むこと」「書くこと」など学ぶ領域や設問の正答率15自治体−−など。大阪府泉佐野市のように全学校の教科別平均正答率を示した自治体もあるが、領域ごとの正答率など分析結果も併せて公表する「配慮」もみられた。

 47都道府県教委のうち市区町村の結果(全ての市区町村または一部の市区町村)を公表したのは14。非公表は31で、検討中2。公表した14自治体のうち全市区町村別の公表は5。教科の平均正答率を公表したのは7自治体あったが、分析結果も併せて示した。学校別結果については、新潟、滋賀、大分など5県が、成果のあった学校など一部の学校の結果を公表した。

 市区町村教委のうち市区町村全体の結果を公表したのは1025自治体(58%)。2007〜10年度に全体の結果を一度でも公表したことがある市区町村は41%だったので、17ポイント増えた。同省は「説明責任を果たすことが重要だと考えて公表している自治体が増えている」とみている。【三木陽介】

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