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 消費税が8%に上がり、円安が進んで物価高も起きた2014年。家庭の財布のやりくりはいかがでしたか。今年に向けて強い家計をつくるため、ファイナンシャルプランナー(FP)のお二人に対談で語ってもらいました。

 ――昨年、家計相談を受けてきて感じたことは?

 畠中雅子 食品の価格は引き続き上がっていますね。ちょっとした工夫でできていた食費の節約が、今は難しい。

 大木美子 食費の節約はすぐに始められるので取り組む人も多いが、削れる額はそれほど大きくない。もっとまとめて減らせる費目に目を向けた方がいい場合もあります。

 畠中 家計のバランスが悪いご家庭も多いです。たとえば、とある子育て世帯では、食費を月1千円削る努力をしつつ、一方で子どもに0歳から何万円もの教材を与えている。

 大木 熟慮した上での決断ならいいですが、周りに流されている人もいますよね。家計の「軸」がない人が多いように感じます。

 ――軸、というのは?

 大木 自分や家族が楽しく暮らしていくために何が必要なのか、ということです。

 畠中 この時代、収入増はあまり期待できません。だから家計の配分を考えていくことが大切。旅が好きで年に2回旅行したいのなら、そのぶん外食は諦めるとか。

 大木 そうですね。なのに家計の相談でまず聞かれるのは、世帯貯蓄などの「平均額」。みなさん、ほかの家のことが気になっている。

 畠中 将来どのくらいのお金が必要なのか、ライフプランを立てるのも大事です。住宅や保険の相談に比べて、ライフプランの相談は少ない。

 ――老後資金についての相談も多いですか?

 大木 必ず聞かれるのが「いくら必要ですか?」。老後資金は、現在の生活費や収入、どんな暮らしぶりなのかを知って初めて考えられます。ですが、世帯収入すら把握できていない人もいます。

 畠中 すでに退職して年金生活をしている場合、家計の年間の赤字額がわかれば老後資金の必要額も出せる。ですから少なくとも3カ月くらいの家計把握はしてほしい。方程式の材料がなければ、答えは導き出せません。

■性格に合う家計管理を

 ――お二人はどのように家計管理をされてますか?