朝鮮日報が選んだ今年の韓国10大ニュース

■迷走した首相人事

 セウォル号事件後の政局を収拾するため、朴大統領は5月、首相交代を含む内閣改造のカードを切ろうとしたが、2人の候補が相次いで「落馬」した。大法院の安大熙(アン・デヒ)元大法官(最高裁判事に相当)は、首相候補に指名されたが、弁護士として高額な受任料を受け取ったとされる疑惑で6日後に辞退。文昌克(ムン・チャングク)元中央日報主筆は、過去の講演での発言が「親日史観」だと批判され、候補指名から2週間後に辞退した。結局朴大統領は辞意表明から60日が経過したチョン・ホンウォン首相を留任させる異例の決定を下した。

■ローマ法王が来韓

 8月に来韓したフランシスコ・ローマ法王は、宗教的な意味だけでなく、現代のリーダーシップの方向性を示した。韓国に100時間近く滞在した法王は、対立の当事者のいずれかに味方せず、心から苦痛に耳を傾け、痛みを共にした。韓国の土を踏んだ瞬間からローマに戻る飛行機の機内に至るまでに言及したセウォル号事故、日本軍による慰安婦問題に対する態度がそうだった。声を荒げる代わりに苦痛に耳を傾け、率先する法王のリーダーシップはバチカンの既得権益の牙城をも融解させている。

■軍内でいじめ、脱走、銃乱射

 韓国軍では今年、前例がないほど事件・事故が相次いだ。陸軍第28師団では4月、一等兵が先輩による長期の悲惨ないじめで死亡したが、軍はその事実を3カ月近く隠した疑惑で批判された。6月には特別な監督指導対象の「関心兵士」だった第22師団所属の兵長が部隊員に銃を乱射し、脱走したことから、追撃戦に発展した。9月には申鉉惇(シン・ヒョンドン)陸軍本部第1軍司令官が飲酒運転問題で更迭され、10月には陸軍第17師団長が執務室で女性軍人にわいせつ行為に及んだとして緊急逮捕された。

■「ナッツリターン事件」で財閥3世批判

 大韓航空のオーナー一族3世に当たる趙顕娥(チョ・ヒョンア)同社副社長による「ナッツリターン事件」が年の瀬を騒がせた。趙前副社長は12月5日に搭乗したニューヨーク発仁川行きの便のファーストクラスで、客室乗務員によるナッツの出し方を問題視し、離陸直前だった同便を搭乗口まで引き返させ、客室責任者に降機を命じた。この事件が報じられると、「財閥3世による行き過ぎ行為」だとの批判が渦巻いた。国土交通部(省に相当)は大韓航空に運航停止などの制裁を行う計画を明らかにした。検察は趙前社長の立件に向けた手続きを進めている。

■李健熙・サムスン電子会長、闘病8カ月目

 サムスン電子の李健熙(イ・ゴンヒ)会長は、5月10日夜にソウル市内の自宅で急性心筋梗塞を起こした。直後に病院に搬送され、心血管を広げるステント手術を受けたが、8カ月後の現在も入院したままだ。李会長が病床に伏した後、サムスンはスマートフォン事業の業績悪化が泥沼化するなど、経営リスクが高まった。サムスンは第一毛織、サムスンSDSなどを上場させ、李在鎔(イ・ジェヨン)副会長中心に支配構造を再編を進めている。

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