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【BOX】高山、日本人初4団体制覇!「誇りに思う」

2015年1月1日6時0分  スポーツ報知

 ◆プロボクシング ダブル世界戦 ▽IBF・WBO世界ミニマム級王座決定戦 ○高山勝成(TKO 7回2分24秒)大平剛●(31日、大阪・ボディメーカーコロシアム)

 高山勝成(31)=仲里=が、日本ミニマム級王者の大平剛(30)=花形=を7回2分24秒TKOで破り、日本人初の世界主要4団体制覇を達成した。ミニマム級では世界初。3度目の王座返り咲きは国内初で、日本人では元世界2階級王者の井岡一翔(25)=井岡=に次ぐ2人目の統一王者となった。東洋太平洋フェザー級王者の天笠尚(29)=山上=は、統一王者のギジェルモ・リゴンドー(34)=キューバ=から7回に2度ダウンを奪う健闘を見せたが、11回終了TKOで敗れた。

 日本で初めて世界王者ではない2人が複数団体のベルトを懸けた一戦で、高山はパンチを浴びせまくった。7回、大平をロープに追いつめて猛ラッシュ。攻撃開始から100発近く打ちまくって相手を棒立ちにさせ、レフェリーがストップした。TKOで日本人初の世界主要4団体制覇を決めると、誇らしげに両手を突き上げた。「最軽量級で4団体制覇できたことを誇りに思います」と感慨に浸った。

 4団体制覇へ本格的に踏み出したのは09年だった。7月に現3階級王者のローマン・ゴンサレス(ニカラグア)に判定で敗れた。「初めて負けたと思った」。引退し、中学時代に志していた自衛官への転職を考えたが、年齢制限で試験を受けられなかった。「WBAとWBCをもう一度、取ったところで満たされない」と葛藤した。

 選んだのは海外で活動し、IBFとWBOのベルトを狙う道だった。「ボクサー人生は一度きり。今やらなかったら、いつやるのか」。当時はともに日本未公認だったため、同年11月に日本ボクシングコミッション(JBC)へ引退届を提出した。「どの団体の王者が世界NO1なのか疑問があった。強いヤツとやるのがボクサーでしょ」というのが、こだわった理由だ。

 ただ、道は険しかった。引退届を提出してJBC加盟ジムで練習できないため、12年の大みそかは自宅近くの公園で午後9時から練習した。「先が見えなかった」。13年3月にIBF世界ミニマム級王者マリオ・ロドリゲス(メキシコ)に勝って日本人初の3団体制覇を達成。直後にJBCがIBFとWBOを公認し、高山は国内に復帰した。

 4月から愛知・菊華高に通学したのも「今しかできない」からだ。「簡単な漢字が頭に思い浮かんで、書けるようになった。積極的に手を挙げて、ポイントを上げてます」。高校受験に失敗したが、今は勉強とボクシングを両立させている。

 座右の銘は「己に勝つ」と「意志あるところに道は開ける」。その言葉を実行して世界初のミニマム級4団体制覇をやってのけた。(伊井 亮一)

 ◆高山 勝成(たかやま・かつなり)1983年5月12日、大阪市生まれ。31歳。グリーンツダジム在籍中の2005年4月にWBC世界ミニマム級王座獲得。陥落後、06年11月にWBA世界同級暫定王座に就く。再陥落後の07年10月に真正ジムへ移籍。09年11月にJBCに引退届を提出して海外で活動。13年3月にメキシコでIBF世界同級王座を獲得し、日本人初の世界3団体制覇。同7月に国内へ復帰し、仲里ジムに所属。身長157・5センチの右ボクサーファイター。

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