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【BOX】内山、日本歴代3位V9!今春に三浦と統一戦へ!

2015年1月1日6時3分  スポーツ報知

 ◆報知新聞社後援 トリプル世界タイトルマッチ ▽WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ ○内山高志(9回終了 TKO)イスラエル・ペレス●(31日、東京・大田区総合体育館)

 WBA世界スーパーフェザー級王者の内山高志(35)=ワタナベ=が1年7か月ぶりのKO勝利を飾った。丸1年のブランクを経て回復した右拳をふるい、挑戦者イスラエル・ペレス(35)=アルゼンチン=の棄権で9回終了TKO。歴代日本人世界王者では3位の9度連続防衛となった。今春のV10戦で、WBC同級王者の三浦隆司(30)=帝拳=との団体統一戦が期待される。戦績は22勝(18KO)1分け。(観衆4300)

 14年最初で最後の大一番を制し、内山が納得の表情を見せた。タフな挑戦者からダウンこそ奪えなかったが、9回終了時に相手陣営が視界がないと棄権を申し出た。「ペレスは予想通り、しぶとかった。倒せなくてすいません」。観客にわびる表情に笑みが広がる。KO勝利も1年7か月ぶり。丸1年ぶりの試合はブランクを感じさせない完勝だった。

 現役最年長の王者が、いぶし銀の強さを見せた。序盤から高速の左ジャブ、左ボディーを細かく刻んだ。古傷の右拳も健在。相手ガードをすり抜けるフック、アッパーを浴びせた。8回に右足を踏まれて尻餅をつきヒヤリとさせたが、スリップの裁定。手を緩めず、9回後のインターバル中に渡辺均会長(64)からKO指令を受けた。「出来は60点。やはり倒し切りたかった」。仕留めにいった直後の勝利。「1年ぶりにリングに上がれてうれしい気持ちがあった」。緊張感あふれる世界戦の雰囲気を楽しむ余裕があった。

 試合が決まらない間も、フィジカルトレは怠らなかった。筋肉が増し、スーツのボタンが留めにくくなった。右拳も癒え、飯田裕トレーナー(52)は「以前は当てても痛くない箇所を意識的に打っていて破壊力に欠けた。今は無意識に打てて力強さが戻った」とうなずいた。

 ゆとりある時間に十分な刺激を入れた。昨年9月に知人を介して巨人、パイレーツで活躍した桑田真澄氏(46)=スポーツ報知評論家=と初対面した。高校、プロとエースで第一線に立ち、39歳でメジャーに挑戦した姿勢に感激。「自分の可能性を信じ、上を目指す桑田さんはアスリートの鑑(かがみ)」。海外進出を目標とする王者は、久々に刺激を受けた。

 日本人現役王者最多となるV9防衛で歴代3位に入った。10年1月11日から始まった防衛ロードは5年超えが確実。安定政権に記録も付いてきた。

 もう頂上決戦しかない。昨年11月にV3防衛を果たしたWBC王者・三浦との団体王座統一戦の機運は最高潮。区切りのV10戦がビッグマッチになる可能性に「三浦選手は以前より数倍強くなっている。統一戦が実現すれば楽しみ」と意欲を示した。「現役をあと10年できる年齢じゃない。できる限り防衛したい」。年男となる2015年。大勝負の年にする。(飯塚 康博)

 ◆内山 高志(うちやま・たかし)1979年11月10日、埼玉・春日部市生まれ。35歳。花咲徳栄高1年で競技を始め、拓大4年時から全日本選手権3連覇。2002年国体優勝。05年7月にプロデビュー。07年9月に東洋太平洋スーパーフェザー級王座獲得(5度防衛後、王座返上)。10年1月に王者サルガド(メキシコ)を12回TKOで下し、WBA世界スーパーフェザー級王座奪取。身長172センチの右ボクサーファイター。独身。

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