【紅白】明菜、４年ぶりナマ姿「ご無沙汰しております」変わらぬ姿に変わらぬ歌声

　第６５回ＮＨＫ紅白歌合戦が３１日、東京・渋谷のＮＨＫホールで行われ、無期限休養中だった中森明菜（４９）が約４年ぶりに姿を見せた。企画ゲストとして米ニューヨークのスタジオから生中継で出演。あいさつでは緊張を隠せなかったが、歌唱になると一転。新曲を以前と変わらぬ歌声で歌いきり、最後はＶサインで締めくくった。トリを嵐、大トリを松田聖子（５２）が務め、白組が３年連続で勝利し、対戦成績を３６勝２９敗とした。

　午後１０時４３分、ついに明菜が姿を見せた。視聴者も紅白歌合戦の出演者も固唾（かたず）をのんで見守った。１０年７月１３日、自身の４５歳の誕生日にパチンコ機の会見に出席して以来の公の場。司会の吉高由里子の呼びかけに笑みを浮かべ、カメラの前に立った。マイクの音量が小さかったため、聞き取りづらかったが「ありがとうございます」と答えた。視線はおよぎ、震えるようなか細い声で「ご無沙汰しております。中森明菜です」とあいさつ。極度の緊張をうかがわせた。

　米ニューヨークのレコーディングスタジオから生中継。メークは濃いめ。黒色の革ジャンに黒いパンツ姿で、以前と同じくほっそりとしていた。「日本は今、低気圧の影響でお天気が悪くて大変だと思いますが、こちらも結構寒くて。少しでも暖かさが届けばと思います。歌わせていただきます。よろしくお願いします」。生中継を強調するように、この日の日本の天気ネタを織り交ぜた。終始、ヘッドホンを耳に当て、譜面を前にレコーディング用のマイクに向かって新曲「Ｒｏｊｏ―Ｔｉｅｒｒａ―（ロホ　ティエラ）」を歌いきった。情熱的なダンスミュージック。あいさつから一転、歌声は以前と変わらず、カメラ目線も決めた。３分２７秒の歌唱だった。

　１０年１０月２８日、体調不良のため無期限休養を発表した。関係者によると体調は徐々に回復に向かっている。日によって好不調があるものの、外出もできるようになり、秋頃に渡米。ロサンゼルスなど数か所でレコーディングを行っていた。

　毎年のように出演オファーをしていたＮＨＫにとっては、ようやく念願がかなった形。明菜は「出る限りは生で歌います」と約束していた。ここ数日は体調も良く、スタッフに手料理を振る舞うなどしていたという。今回は出演者ではなくゲスト扱いだが、紅白に登場するのは１２年ぶり８回目。テレビの生放送となると、０４年１２月３０日のＴＢＳ系「ザ・ベストテン」スペシャル以来１０年ぶりとなった。

　最後はＶサインで出番を終えた明菜。計４分９秒の出番で完全復活への第一歩を踏み出した。