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グアルディオラが率いる今季のバイエルンは、3バックを基本にしつつも4-3-3や3-5-2など様々なシステムを採用。しかも、戦況に応じてゲーム中にも変更するため、相手チームは対応しきれない。
photograph by Getty Images
フットボール“新語録”

2015年はシステム論が大きく変わる!
バイエルンが先導する“可変型”の波。

木崎伸也 = 文

text by Shinya Kizaki

photograph by Getty Images

「ペップの下、戦術的な構造があるサッカーを
プレーできて嬉しい」

トーマス・ミュラー (バイエルン・ミュンヘン)

 2015年のサッカー界におけるキーワードは何か? もしそう訊かれたら、こう答えようと思っている。

「試合中のシステムチェンジが、戦術のトレンドになる」

 すでに昨年11月、本コラムにおいて「ブラジルW杯において、試合中のシステム変更がトレンドになっていた」と書いたことを覚えている人がいるかもしれない。

 ドイツサッカー協会が発行する指導者向けの雑誌『fussball training』がブラジルW杯を分析し、オランダ代表がメキシコ戦において3-5-2、4-2-3-1、2-3-3-2と目まぐるしくシステムを変えて逆転勝利したことに注目。またドイツ代表は決勝戦の途中に4-3-3から4-2-3-1に変更して、アルゼンチンとの接戦をものにした。

「バイエルンのシステムを紙に書くのをやめた」

 そして今、この「システム変更」をさらに研ぎすませたクラブが出現した。ジョゼップ・グアルディオラ監督が率いるバイエルン・ミュンヘンだ。

 今季の開幕前、突然ペップは3バックを導入した。ボランチでもプレーできるアラバがDFラインに入る攻撃的なシステムで、スポーツビルト誌は「ペップはミーティングで『今季は3バックで行く』と宣言した」と驚きをもって報じていた。

 いざ開幕すると、それがただの3バックではないことが次第にわかってきた。キックオフ時は3バックでスタートしたように見えても、いつの間にか4バックにスイッチ。その逆のケースもある。あまりにも目まぐるしく変わるため、知人のTV局のディレクターは「バイエルンのシステムを紙に書くのをやめた」と冗談交じりに言っていた。

【次ページ】 「ペップの暗号」と名づけられた日替わりぶり。

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