例年、フロスト・アンド・サリバンで筆者が率いる未来派アナリストチームは、新年の主要トレンドを見いだそうと知恵を寄せ合う。
昨年チームが挙げた2014年のトップ14トレンドは実に的を射たものだった。なかでも3D技術や仮想通貨、ネット販売、ビッグデータ、AR(拡張現実)、ウエアラブル端末、健康管理用デジタル端末、循環型経済などについてのチームの予想は、大型の市場導入や発表といった形で実現した。多くの企業が3Dプリンターを発売し、容易にオンライン注文できるようになった。アリババ集団は超大型IPOで世界を沸かせた。さらに、日常生活を向上させるビッグデータ分析やアプリも投入され、大半の政府や企業がようやくビッグデータの潜在力を理解するに至った。アップルは同社初のウエアラブル端末を発表。フィットネスアームバンドの人気も高まっている。
では2015年はいったい何が待ち受けているのだろうか。今年の予想をまとめたトップ15のトレンドを以下に示す。興味深いことに、これらのトレンドには幾つか共通するテーマが見受けられる。まず、情報通信技術が今後も新製品やサービス、ビジネスモデルを生み出す力となる点だ。そしてミレニアル世代(1980年代から2000年ごろまでに生まれた米国版団塊ジュニアを指す)や女性活用、ピア・ツー・ピア(P2P)のビジネスモデルといった社会の動向は個人の生活のみならず実業界でも中心的な役割を果たすであろう。
筆者が気に入っている予想はおそらく最も大胆なもので、現金通貨はピークに達し今後は先細ると指摘している。これはアップルのモバイル決済サービスが成功するかどうかにかかっている。企業間(B2B)決済プラットフォームや国境を越えたモバイル取引など類似のサービスに対するアップル決済サービスの影響力にも左右されるだろう。
大化けしそう(しかもかなり思いきった予想)なのは、貿易のハーモナイゼーション(調和)に関する予想ではないだろうか。はたして貿易と環境をめぐる世界規模の政策や目標で政策当局者は合意に達するのか。北米とEU間の貿易協定は流れを一変させる可能性がある。14年はウクライナ危機のあおりで世界にほころびが生じたが、15年は世界が一つになった年として記憶に刻まれることになるだろうか。
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