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視点:TPPに勝る日本経済の「活力源」なし=加藤隆俊氏

2014年 12月 31日 14:22 JST
 
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加藤隆俊 国際金融情報センター理事長/元財務官

[東京 31日] - 足元で景気底入れの兆しがみえるとはいえ、2015年も米金融政策転換に伴う新興国経済混乱の可能性が懸念され、日本経済の先行きを過度に楽観することは禁物だと国際金融情報センターの加藤隆俊理事長(元財務官)は指摘する。

そのうえで、喫緊の課題として、潜在成長率の底上げを目指した成長戦略実行、岩盤規制を崩すテコとなり得る環太平洋連携協定(TPP)実現の重要性を説く。

同氏の見解は以下の通り。

<いまだ脆弱な日本経済の成長基盤>

先進国の中では稀有な存在だった安定政権が2年を経てなお、総選挙によって国民の信任を得た。日本にとって、中長期に必要な政策を実行できる政治的基盤が整ったという意味では良かったと言えるのではないだろうか。

それにしても、安倍首相には運も友となっている。2012年12月の政権発足時は、循環的に景気の谷に位置していた。また、足元では原油安の強い追い風が吹いている。4月の消費増税後、国内総生産(GDP)成長率は2四半期連続でマイナス成長に陥ったが、2015年は次第に回復基調を確認していくと期待される。

実際、秋口以降の経済指標には、底入れの兆しがみえる。例えば、財務省の11月貿易統計速報(通関ベース)では、輸出額は3カ月連続で増加を示した。12月の日銀短観でみた企業の設備投資計画も上方修正されている。10%への消費増税先送りも当面、消費者心理にはプラスとして働こう。こうしたなかで、実質的な減税に等しい原油価格の下落が続くことは明らかに日本経済にプラスだ。   続く...

 
 

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 12月31日、国際金融情報センター理事長で元財務官の加藤隆俊氏は、日本は外圧をテコにして痛みを伴う変化を受け入れるところがあり、環太平洋連携協定(TPP)はまさにそのテコになり得ると指摘。提供写真(2014年 ロイター)

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