上海観光名所 大勢の人倒れ70人余死傷1月1日 9時08分
中国・上海で、新年を迎えるのに合わせて西洋建築が並ぶ観光名所「ワイタン(外灘)」に集まった大勢の人たちが折り重なるように倒れて、これまでに35人が死亡、43人がけがをして、上海市ではけが人の手当てとともに事故原因の調査を進めています。
上海にある日本総領事館は、これまでのところ日本人が事故に巻き込まれたという情報は入っていないとしたうえで、引き続き情報収集に当たっています。
上海では、新年を迎えるのに合わせて、31日夜から観光名所の「ワイタン(外灘)」に建ち並ぶ西洋建築や、川を挟んで対岸にある高層ビルのライトアップを楽しもうと、大勢の人たちが集まり、周辺の道路は集まった人で埋め尽くされ、通行していた車が動くことができなくなるほどの混乱した状況になりました。
上海市によりますと、現地時間の31日午後11時35分ごろ(日本時間の1日午前0時35分ごろ)集まった人たちが折り重なるように倒れて、これまでに35人の死亡が確認されました。
また、けが人はこれまでの発表から1人増え、43人になったとしています。
インターネットのニュースサイトや中国版ツイッター、ウェイボーに投稿された事故直後の現場だとされる写真には、多くの人が道路に倒れて手当てを受けている様子や、警察官が出て対応に当たる様子が撮影されています。
ワイタンは、地元の人だけでなく、日本人をはじめ、大勢の外国人観光客も訪れる観光名所です。
上海にある日本総領事館は、これまでのところ日本人を含む外国人が事故に巻き込まれたという情報は入っていないとしたうえで、引き続き情報収集に当たっています。
上海市では、けが人の手当てとともに、事故原因の調査を進めています。
上海を代表する観光地ワイタン
「ワイタン(外灘)」は、上海の中心部を流れる川、黄浦江の西岸沿い南北1キロ余りに広がる地域です。
この地域は、19世紀後半から20世紀前半にかけて、外国が地区の行政・警察を管理し、日本や欧米の多くの外国人が住んだ租界地だった場所で、当時、各国の商人や金融機関が建てた西洋建築の石造の建造物が今も残って建ち並んでいます。
現在は、こうした歴史的な建造物を見ようという国内外の観光客でにぎわう、上海を代表する観光スポットになっています。
また、2007年春から2010年3月ごろにかけては、上海万博を前に周辺の建物や高速道路、それに公園などの再整備が進められました。