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【格闘技】

高山勝成が日本人初の4団体制覇

2015年1月1日 紙面から

大平を7回TKOで破り、主要4団体のベルトをまとい、拳を突き上げる高山=ボディメーカーコロシアムで(潟沼義樹撮影)

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◇ボクシング IBF・WBO世界ミニマム級戦

 31日▽大阪・ボディメーカーコロシアム(観衆8600人)

 IBF・WBO世界ミニマム級王座決定戦でIBF同級3位、WBO同級1位の高山勝成(31)=仲里=がIBF同級6位、WBO同級2位の大平剛(30)=花形=に7回2分24秒でTKO勝ち。唯一手にしていなかったWBOのベルトをつかみ、日本人で初めての主要4団体制覇を成し遂げた。WBA、WBO世界スーパーバンタム級統一王者のギジェルモ・リゴンドー(34)=キューバ=に挑戦したWBA同級10位、WBO同級6位の天笠尚(29)=山上=は健闘及ばず、11回終了TKOで敗れた。

 小さな高山がでっかい偉業だ。IBFのベルトを首から提げ、WBOを腰に巻き、右腕にはWBA、左腕にWBC。4団体のベルトで全身を覆って会場の声援に応えた。

 「4団体制覇するためにミニマムにとどまって突っ走ってきた。2014年の大みそかに実現できたことを誇りに思う」

 何とも爽快な猛ラッシュで締めた。序盤に大平のパンチを何度も浴びたが、5回に左ボディーを当ててから流れが傾く。見せ場は7回。「しっかり仕留めるつもりでいった」。50発は超えるだろう連打。防戦一方の大平を見てレフェリーもたまらず試合を止めた。

 プロデビューから14年。2005年にWBC世界ミニマム級、翌06年にはWBA同級暫定王座を獲得した。当時、国内で認められていなかったIBF、WBOの王座を奪うべく、09年に日本ボクシングコミッションに引退届を提出。海外での戦いを選択した。そして13年、IBF王者に輝き、3団体制覇を果たした。

 14年8月にアウェーでIBF・WBO世界ミニマム級王座統一戦でロドリゲスに負け、4団体制覇を逃した。しかし、ロドリゲスがIBFに続いて12月にWBO王座も返上したことで転がり込んだ4団体制覇のチャンス。「過去の栄光は捨てた」と話したが、不屈の精神があったからこそ悲願を実現できた。

 教員免許取得のため、14年4月に名古屋市守山区の菊華高校に入学した。12月の終業式で通知表を受け取ったが、練習に専念するため、出席日数不足に陥った。年明けに出席日数を取り戻す“戦い”も待つが「しばらくボクシングのトレーニングはいらない。3学期は脳トレを頑張りたい」と笑みを浮かべた。

 高校生にとって勉強も大事な仕事。だが、陣営は1階級上のライトフライでの2階級制覇に加えてWBA、WBCを含めた日本人初の3、4団体統一王者を目指す考えもある。「今、答えは出せない。まずは4団体制覇したことに浸りたい。しばらく休んで学校に行ったら新たな目標が生まれるかもしれない。決断ができたらその道に進もうと思う」と明言を避けた高山だが、2015年も歴史をつくってくれるに違いない。 (永井響太)

 

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