ななつ星:「サンセットは絶景」おれんじ鉄道に乗り入れへ

毎日新聞 2015年01月01日 03時00分

ななつ星in九州の現行ルート(3泊4日コース)と肥薩おれんじ鉄道の路線
ななつ星in九州の現行ルート(3泊4日コース)と肥薩おれんじ鉄道の路線

 ◇八代−川内間116.9キロ

 JR九州(福岡市)が豪華寝台列車「ななつ星in九州」を2016年にも第三セクター、肥薩おれんじ鉄道(熊本県八代市)へ乗り入れることを検討していることが分かった。JR九州幹部は「おれんじ鉄道沿線からのサンセットは絶景。世界中から来る乗客に見てもらいたい」と話している。JR九州の列車がグループ会社以外の路線を走るのは珍しいという。

 「おれんじ鉄道」区間の運転は同鉄道の運転士が務めることになるため、半年程度の養成期間が必要だが「他に大きな課題はない」(JR九州幹部)という。ただ、ななつ星の日程2コースのうち、3泊4日コースを想定しており、サンセットに合わせて夕方に同区間へ乗り入れるためのルート変更や関係者への調整などが必要になる。

 肥薩おれんじ鉄道は九州新幹線新八代−鹿児島中央の開業(04年3月)に伴い、鹿児島線の八代−川内(鹿児島県)間116.9キロを分離してスタートした。

 厳しい経営が続いているが、13年に投入した観光列車「おれんじ食堂」は、海に浮かぶ島々を眺めながら食事ができると好評だ。おれんじ食堂の車両や沿線の阿久根駅は「ななつ星」を手がけた工業デザイナーの水戸岡鋭治さんがデザインしており、縁は深い。ななつ星乗り入れで沿線活性化も期待される。

 ななつ星は13年10月に運行を開始。15年3〜9月出発分の予約平均倍率は21.8倍で、人気を維持している。JR九州はリピーター客対応もあり、開業3〜4年後をめどに運行コースの見直しを考えている。【中園敦二】

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