A系統の終点となっている田崎橋電停近くを走る新型車両「COCORO」。熊本市は西部方面など市電延伸の可能性を探る=31日午後、熊本市西区(高見伸)
市電延伸はこれまでも市や県が模索してきたが、実現していなかった。延伸検討を公約に掲げる大西一史市長の就任を機に再度実現の可能性を調査する。
西部方面の延伸は、現在のA系統(健軍町-田崎橋)の終点・田崎橋から田崎市場(西区田崎町)方面へ延伸し、同区上代の西回りバイパスとの交差点まで延ばす案が中心。JR在来線の高架化が18年度に完了予定で、市電用陸橋を設ける必要がなくなる事情もある。さらに軌道を南に延ばし、熊本港まで結ぶ可能性も調査する。
東部方面では、健軍町電停から東区沼山津などに延ばす案や、益城町のグランメッセ熊本、熊本空港まで延伸する案を検討。03~05年度に市や県が調査したが、費用対効果などから断念した。今回は、現在の交通状況や社会情勢の変化に合わせ再検証する。
市電延伸を含めた都市圏公共交通の在り方は15年度中に見直す「市総合計画」に盛り込む考え。大西市長は「20~30年先の人口動態や市民ニーズを見据え、バス、JRなどを含めた公共交通の最適な組み合わせを探りたい」と話している。
市電は総延長12キロ。A系統のほか、中央区辛島町で分かれるB系統(健軍町-上熊本駅前)がある。(平井智子)
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