ベネズエラはこのところ経済危機に瀕しており、公式な経済統計の発表が遅延していました。

昨日、ベネズエラ中銀が今年のGDPについてコメントしました。それによると2014年第1四半期は前年比-4.8%、第2四半期は-4.9%、第3四半期は-2.3%でした。

また11月で〆た過去12ヵ月のインフレは63.6%でした。

ベネズエラはウゴ・チャベス前大統領時代にばらまき政治を続けた関係で、財政が不健全になっています。原油の埋蔵量では世界最大なのですが、国営石油会社PDVSAは慢性的な過少投資で思ったように原油を生産できなくなっています。

そこへ最近の原油安が直撃したわけです。

主要産油国の中でベネズエラの外貨準備は最も貧弱であり、2015年の春には国債の償還があるため借り換えしなければいけません。

今回の原油価格の急落では、今後デフォルトなどの問題が次々に明るみに出ると思いますが、その多くは企業レベルの問題です。国レベルで窮地に陥るリスクが一番大きいのが、ベネズエラだと思います。