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<震災資料>非売の冊子類寄贈を 仙台市民図書館

収集が頭打ち状態となっている震災関連の冊子やパンフレット=仙台市民図書館

 東日本大震災の記憶を伝えようと、仙台市青葉区の仙台市民図書館が被災地の住民や団体に提供を依頼している震災関連資料のうち、市販されていない冊子やパンフレット類の収集が進んでいない。来年度は災害公営住宅への引っ越しも増えるとみられることから、収集の担当者は「転居時に資料を見つけたら捨てずに寄贈を」と呼び掛けている。

 市民図書館がことし8月までに集めた震災関連資料は約5100点。市販の出版物が大半を占める。自治会や市民団体がまとめた活動記録誌や震災体験記など、非売品の冊子やパンフレットは約750点にとどまる。
 これらの冊子類は、震災発生から1年後の2012年春に集中的に寄贈された。被災状況を調査した早稲田大のゼミから届いた報告書もあった。
 その後は集まらなくなった。13年1月以降は月1〜2点と少なく、多い月でも10点前後と頭打ちの状態が続いている。
 図書館は11年6月に「3・11震災文庫」を開設し、提供された資料を閲覧できるようにしてきた。担当の今田雄さん(45)は「震災で混乱する中、体験を記録する余裕がなかった市民や団体も多いはず。今後、まとまった数の寄贈は期待できない」と話す。
 望みをつなぐのは、仮設住宅から災害公営住宅への転居が進む来年度。仙台市では、14年度中に完成した22地区約1430戸への引っ越しが本格化する見通しだ。
 今田さんは「転居時の荷造りが震災関連資料の掘り起こしにつながる可能性がある。見つかったら捨てずに提供してほしい」と呼び掛ける。連絡先は仙台市民図書館022(261)1585。


2014年12月31日水曜日

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