筋弛緩剤:抗菌薬と間違え投与、60代男性死亡 大阪

毎日新聞 2014年12月31日 20時34分(最終更新 12月31日 22時10分)

 ◇大阪府立急性期・総合医療センターが府警住吉署に届け出

 大阪府立急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)は31日、抗菌薬と間違えて、入院中の60代の男性がん患者に筋弛緩(しかん)薬を投与し、この男性が死亡した、と発表した。死因は誤投与による呼吸停止だったという。センターは男性の家族に謝罪するとともに府警住吉署に届け出た。住吉署は業務上過失致死容疑も視野に捜査している。

 発表によると、29日午前10時ごろ、医師から発熱を抑える抗菌薬「マキシピーム」を投与するよう書面で指示された女性薬剤師(25)が誤って、法律で毒物に指定される筋弛緩薬「マスキュレート」を病棟に配送した。書面には薬品名と数量が書かれていた。二つの薬品は、びんのふたの色が似ていた。

 受け取った27歳と43歳の女性看護師も、医師の指示書と照らし合わせるなど十分に薬品の確認作業をしないまま、午前11時ごろ男性に点滴した。薬剤師が午後1時ごろに取り違いに気付いたが、午後2時50分ごろ、男性の死亡が確認された。

 男性はセンターに約2週間入院していた。

 女性薬剤師はセンターの調査に「思い込みで取り違えた」と説明しているという。吉岡敏治院長は「患者とご家族に心からおわびしたい。再発防止に万全を尽くしたい」と話している。【岡村崇】

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