2014年12月29日

あなたの新車に入っているF1技術

F1 tech you can find in your new car

ルイス・ハミルトン(メルセデス)、2014年F1ロシアGP

最新のF1マシンは、ジェット戦闘機と共通点が多いと言われている。マクラーレンやメルセデスのF1マシンの空力学と形状、狭苦しいコックピット、操縦性やスピードは、地元のディーラーで買ったあなたの自動車で、のん気にスーパーマーケットに行ったりドライブしたりするのとは全く別世界のように見える。

しかし、おそらくそれほど昔ではないある時点から、毎日あなたが使っている技術は、レーストラックで生まれ、そこではありふれたものだったが、量産車に移り始めたのだ。そして、今でも移動しつつある。

メルセデスとルノーは、2014年のエンジンは、乗用車技術に翻訳し始めたと公表した。公式F1ウェブサイトで、メルセデスのアンディ・カウエルは次のように述べた。

「規約は、小型化、低速化、ターボ化など、乗用車の業界にすでにあるアイデアのいくつかを取り入れるよう、具体的に書かれていた。しかし、具体的には電気ターボチャージャーなど、興味深い新技術なども追加された。こういったプロジェクトはすでに動いている」

例えば、ダイレクト・シフト・ギアボックス(DSG:速度コントロールを維持しつつ、素早くギアチェンジができる)付きの車に乗っている人なら、この技術がレーストラックから生まれたことに驚かないだろう。2003年、フォルクスワーゲン・ゴルフに搭載され、その後アウディTTに搭載されたこの複雑なシステムは、高速走行中、クラッチを使わずに変速することができるのだ。

フォルクスワーゲンはDSGを乗用車に導入したが、ポルシェは1980年代、レーシングカーで使用した技術で、普通のキーを使うより速く車を始動させている。押しボタン式スターターの車を持っている人であれば、静止スタートのため急激な加速が必要とされていたポルシェのレーシングの伝統からこの技術が生まれたことに驚かないだろう。

「ノーマル」タイヤ技術の要素は、まずトラックで誕生した。世界各地での何千ものレース、コーナー、クラッシュにより、何がうまくいくのか、どのような修正が必要なのかがわかり、最終的に量産車に届いたのだ。しかし、いくつかのイノベーションにもかかわらず、数千kmを走り、厳しい天候や道路上のゴミに対応しなければならない普通の乗用車用タイヤに対し、F1タイヤは120kmだけもてばよいことを考えると、類似点はそこまでである。

高速で壁や他の車両に激突したマシンの衝撃を見るほど、劇的かつ不運な安全対策テストはない。したがって、NASCAR車両のロールケージの原理を、乗用車で使うのは論理的に当然だった。もちろん、普通の乗用車では、ロールケージは、内側の発泡体やカーペットやトリムによって、外側では外部スタイリングによって隠されているので、見ることはできない。

カーボンファイバーなどの頑丈で軽量な材料は、F1モノコックの重要な要素であるが、その組み合わせは非常に高価である。それにもかかわらず、BMWのような高級ブランドは、この材料を乗用車に導入している。2013年のi3とi8はカーボンファイバー製ボディ構造を採用しており、同社は1〜2年以内に合金ホイールは時代遅れになるとまで言っている。

わたしたちの周りの世界を合法的に変え、より安全にすることを自慢できるスポーツはほとんどないが、F1は例外である。

-Source: Tech Fruit

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markzu at 19:59│Comments(0)F1技術系記事 

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