予備校生が予備校生刺す！浪人同クラス、交友関係でトラブルか

　３０日午後４時３５分ごろ、東京都千代田区神田駿河台２丁目の駿台予備校お茶の水２号館で、千葉県八千代市の男子生徒（１８）が首など数か所を刃物で刺された。重傷だが命に別条はない。警視庁神田署は殺人未遂の疑いで、同じ予備校に通う、さいたま市の少年（１９）を現行犯逮捕した。浪人生の２人は、同じクラスで授業を受けており、交友関係をめぐるトラブルがあったとみて、同署が調べを進めている。

　受験シーズンを控えた名門予備校で、生徒が生徒を刺す事件が起こった。閑静な文教地区はパトカーのサイレンで一時、騒然となった。

　神田署によると、現場は校舎２階で、食事などをする休憩スペース。刺された生徒が友人らと立ち話をしていると、少年がいきなり包丁のような刃物で切りつけた。周囲の生徒らに取り押さえられるまで、首の後ろや背中を数か所刺し続けたという。被害を受けた生徒は自力で１階の窓口に向かい、気づいた職員が通報。ほかの職員が現場に駆けつけると、少年はぼう然としており、刃物がそばの机に置いてあった。

　同署によると、少年は容疑を認めている。包丁のような刃物をあらかじめ予備校に持ち込んでおり、殺意があったこともほのめかしているという。同署は、少年と生徒の間には交友関係をめぐるトラブルがあったとみて、経緯などを調べている。

　予備校によると、３０日は冬期講習中。２人は浪人生で、４月から同じクラスで授業を受けていた。来年１月１７日からはセンター試験も控えており、受験生にとっての追い込み時期に事件が起きた。

　同じ校舎で授業を受けていた高校３年の男子生徒（１８）は「黒っぽい服の男がパトカーに乗せられていった。センター試験が近く、みんなピリピリしている」と話した。別の校舎で授業を受けていた女子生徒（１９）は「ほかの人にも影響するかもしれない」と不安そうだった。

　予備校内の事件では、１１月１１日に福岡県北九州市の代々木ゼミナールの小倉校で、同校に通う男（３０）が、男子生徒（１９）を包丁で刺す殺人未遂事件が起きたばかりだった。