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鎌倉橋残日録 ~井本省吾のOB記者日誌~

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2014.12.30
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カテゴリ:マスコミ
 昨日も取り上げた慰安婦問題。日本経済新聞は「報道 波乱の2014年」と題し、30日付け社会面で「朝日の慰安婦報道の誤報」問題を中心に、京都大学の曽我部真裕教授にインタビューしている。

 相変わらず「日本軍の強制連行はなかったかも知れないが、広義の強制性があった」という議論を重視しており、「またか」と、うんざりした気分になる記事だ。

 
 <――軍の(慰安婦)連行への関与という狭義の強制性でなく、慰安所管理の広義の強制性や、当時と今との問題認識の違いなど、なお議論が続いています。
 「慰安婦問題は、日本と海外で論点が全くずれている。民間での論争はあっていいし無理に決着をつける必要はない。ただ政権担当者は別だ。人権問題として国際的に認識されてしまったという視点で解決に取り組むべきだ。強制性の有無にこだわる安倍首相は一政治家の目でしか見ていない。広い視野がほしい」>

 曽我部教授は史実について踏み込もうとせず「海外では過去ではなく現在の視点で慰安婦そのものが人権問題だとしているのだから、その視点で解決に取り組むべきだ」と言っている。

 要するに「長いものには巻かれろ」という受身の姿勢なのである。外務省の役人に典型的に見られる主体性の無さだ。「人権問題として国際的に認識されてしまった」という受動態の表現がそれを端的に表している。自分から、事態を変えようという姿勢がまるでない。

 まず「国際的に認識され」というが、どこで、どう認識されているというのか。実際は「日本軍による強制連行がなかったようなので、この際、現在の人権問題の観点から日本を批判しよう」と、一部の反日勢力が国際情報(宣伝)戦略を転換したという話ではないのか。

 人権問題というなら、過去、世界中で慰安婦の軍隊活用があった。日本だけの問題ではない。米国や国連はそのすべての国での慰安婦の人権問題を批判すべきではないか。なぜ日本だけが70年も以前の問題で批判され続けなければならないのか。

 曽我部教授の予想される反論はこうだろう。「人のことよりも、まず自分が反省すべきだ」。

 同じ批判を米国や韓国や国連に言えばいいのだ。

 米国に対しては「日本を批判するよりも、まず自分の国の過去を反省し、迷惑をかけた国々に陳謝すべきではないのか。占領下の日本や朝鮮戦争時やベトナム戦争時で、多くの慰安婦にセックスを求めたではないか」という。

 韓国には「朝鮮戦争時に慰安所を設置し、多数の韓国人慰安婦を送り込んだ。今でも韓国人娼婦が世界に広がっている。この状態を放置している事実を反省すべきだ」と指摘する。

 国連には「日本だけでなく、世界の慰安婦、慰安所の実態を調べ、その国々すべてに反省、陳謝を求めてもらいたい」と申し出るべきだ。

 世界最古のビジネスと言われる売春婦。曽我部教授には、過去どれほど多くの人権問題が古今東西にあったか(今もある)という点を認識したうえで論議することを考えてもらいたい。

 安倍政権が強制性の有無にこだわるのは、そうした古今東西の史実をにらんでのことだ。「広い視野で解決に取り組め」というが、それは「長いものに巻かれろ」ということではないのか。

 外交に「長いものに巻かれ」なくてはならない場面があるのは確かだが、広い視野から国益を考えれば歴史の真実を基礎に、粘り強い主張を展開することも必要なのである。

 それに、曽我部教授は安倍政権が「河野談話」を継承している点を無視している。強制連行はなかったし、当時慰安婦は合法だったが、それでも悲惨な生活を強いられた女性たちが多かった。そこで、まさに人権の見地から反省の言葉を述べた河野談話を継承したのである。

 その上で、強制連行はなかったと強調している。「強制連行にこだわる安倍首相は一政治家の目でしか見ていない」というが、国益を重んずる政治家、特に総理大臣だからこそ、強制連行などという恥ずべき行為はなかったという点にこだわるのだ。それに国家の名誉がかかっているからである。

 その国益を、曽我部教授はあまり重視していないような印象を受ける。

 <――(朝日新聞の慰安婦報道は)「国益を害した」という他メディアの批判も異例でした。
 「メディアも含め、民間に国益に従った行動が求められる理由はない」「ジャーナリズムの公共的役割に反したという批判はあろうが、政府方針とほぼ同一の意味での国益に反したという今の批判は筋違い。メディアも自発的に協力したかつての戦時と同じ構造だ」>

 曽我部氏は何か勘違いしているのではないか。朝日新聞は記事の誤報、捏造をしたこと、要するにウソを流したことが批判されているのだ。そのウソが海外でも流れ、国益を害したのは事実である。

 なるほど「朝日新聞という民間(企業)に国益に従った行動を求められる理由はない」。しかし、ならば同じ理屈で「朝日は国益を害した」という批判を他メディアがするのも自由だ。

 曽我部氏は「ジャーナリズムの公共的役割に反したという批判はあろうが」と言っているが、誤報を流すといった「公共的役割」に反する行為は国益に反するのである。曽我部氏は「日本を貶める報道こそが国益なのだ」とでも考えているのだろうか。


 「政府方針とほぼ同一の意味での国益に反したという今の批判は筋違い」と言うが、その批判こそ筋違いも甚だしい。他メディアは「朝日は政府方針に反したから国益に反した」などとは言っていない。誤報を大量に流し、それを何十年も訂正しなかったことを国益に反している、と言っているのである。

 「メディアも自発的に協力したかつての戦時と同じ構造だ」という分析に至ってはピンと外れ、過剰反応と言うしかない。

 こんな突っ込み不足の、おかしなインタビュー記事で、朝日報道を巡る「波乱の1年」を締めくくってしまう日経の報道にも不満が残る。日経OBとして、やるせない気持ちである。
 





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Last updated  2014.12.30 17:47:17
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