アングル:企業債務が響くロシアのソブリン債、一段の下落予想も
Sujata Rao Chris Vellacott
[ロンドン 29日 ロイター] - ロシアが経済危機に見舞われたことで、同国のドル建てソブリン債を保有する投資家は一段の価格下落を覚悟している。もっとも、ソブリン債が本格的なデフォルト(債務不履行)に陥るとの見方は乏しい。
投資家によると、プーチン大統領の好戦的な言動とは裏腹に、ロシアはこれまで債務を誠実に返済してきた。しかしロシア企業は現在重債務にあえいでいる上、ウクライナ問題をめぐる西側諸国による制裁で企業の資金アクセスが限られているため、国家のバランスシートが企業債務の一端を担う必要が出てくるかもしれない。
楽観派は1998年のロシア危機の例を挙げ、デフォルトは起こらないと予想する。当時の原油価格は1バレル=10ドル前後、ロシアの外貨準備は150億ドルを割り込んでいた。ロシア経済は景気後退に陥り、通貨ルーブルは暴落、多額の国内債務がデフォルトを起こしたが、ロシアは国際市場で発行した「ユーロボンド」を忠実に返済し続けた。
現在、ロシアの外貨準備は4000億ドルを超えて来年の債務返済総額の4倍に相当する。デフォルトを予想する者は皆無に等しい。それでもソブリン債の米国債に対するスプレッドは500ベーシスポイント(bp)と、格付けがジャンク級のジャマイカやレバノンの水準をも大きく上回っている。
イートン・バンスの新興国債券ポートフォリオマネジャー、マイケル・チラミ氏は、このスプレッドは恐らく適正だと言う。1998年当時と異なるのはロシア企業の対外債務の増大だ。
「心配なのは、危機に陥った際にこれらの社債が国家のバランスシートに移し替えられてしまうことだ」とチラミ氏は指摘。「スプレッドが再び拡大しても不思議ではない」と話した。
投資家は既に、ロシアのソブリン債をジャンク級並みに扱っている。5年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が示す保証コストは今年、3倍に拡大して450bpとなった。これは「BBB/BBBマイナス」という投資適格級クレジットの通常の水準に比べて300bpも高い。 続く...
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