米国株:S&P500種が最高値、バイオ関連に買い-ダウは下落
(ブルームバーグ):米株式市場では、S&P500種株価指数が小幅ながら続伸、過去最高値を更新した。このままいけば年間ベースで3年続伸となる。主要株価指数は先週、過去最高値を更新した。
医薬品開発のギリアド・サイエンシズ などバイオテクノロジー株が高い。また原油相場の下落をよそに、エネルギー銘柄も買い進まれた。一方でマイクロソフトやインテル、IBMが売られ、ダウ工業株30種平均は下落した。
S&P500種 株価指数は前週末比0.1%高の2090.57。ダウ工業株30種平均は15.48ドル(0.1%)下げて18038.23ドル。
S&P500種は12月前半に5%下落したものの、米連邦公開市場委員会(FOMC)が17日の声明で利上げ開始に辛抱強くなれると表明したことなどを手掛かりに、後半に入りその下げを埋めた。
ベアリング・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ジェームズ・バックリー氏は「2015年を迎えるにあたり、市場参加者には消化すべきことが数多くある」と指摘。「当面の注目点はよりマクロ経済に関連したイベントとなりそうだ。米経済は唯一の明るい材料となっている。経済は極めて好調だ。それ自体が楽観の理由になる」と述べた。
2014年の動き年初からはS&P500種は13%上昇、ダウ平均は8.8%上げている。ダウ平均は先週には初めて1万8000ドルを突破した。小型株で構成するラッセル2000指数は26日に過去最高値を更新。またナスダック総合指数は同日に2000年3月以来の高値となった。
米国株 は2014年、ウクライナ情勢の悪化やエボラ出血熱の流行、原油の弱気相場入りといった悪材料を乗り越え、6年目となる強気相場を維持してきた。S&P500種の今年の下落局面は最もきつくて7.4%安。4%超下げた状況でも全て1カ月以内に回復した。
シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は先週12%低下。この日は3.9%上げて15.06だった。16日に付けた2カ月ぶり高水準からは36%下げている。
S&P500種の構成企業の株価収益率(PER )は18.5倍と、2010年以来の高水準。過去10年間の平均は16.3倍。
企業利益見通しアナリストらは、S&P500種構成企業の利益が来年は6.4%増加すると予想している。ブルームバーグがまとめた予想によれば、選択的消費やテクノロジー、資源関連の企業の利益が最も高い伸びとなりそうだ。
フィラデルフィア・トラストの最高投資責任者(CIO)、リチャード・シーシェル氏は「年を終える前に投資成績を上げようとする動きが出るか注目している」と述べた。
今週は12月の消費者信頼感指数や11月の中古住宅販売成約指数、12月の米供給管理協会(ISM)製造業総合景況指数などの経済指標が発表される。
S&P500種の業種別10指数 では6指数が上昇。公益や選択的消費関連が最も上げた。
ギリアド・サイエンシズは3.7%高。バイオテクノロジー株の指数は3営業日続伸となった。エネルギー株は0.3%上昇。
原題:S&P 500 Extends Gains After Last Week’s Milestones for Indexes(抜粋)
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更新日時: 2014/12/30 07:53 JST