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視点:景気楽観論は禁物、アベノミクス再起動を=若田部昌澄氏

2014年 12月 30日 14:55 JST
 
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若田部昌澄 早稲田大学教授

[東京 30日] - 内需、外需ともに日本経済は決して楽観できる状況にはなく、アベノミクスの再起動と改善が必要だと、早稲田大学の若田部昌澄教授は指摘する。

同氏の見解は以下の通り。

<要点はリフレ・レジームの再確認と進化>

消費税増税が人々の予想に与えた負の影響は無視できない。アベノミクスはかなり振り出しに戻ってしまった感がある。内閣府が12月16日に発表した7―9月期の需給ギャップは、マイナス2.8%に拡大。この状態が1年続けば、およそ14兆円の需要不足になる。こうした状況を受けて、さすがに「供給不足経済」との意見も影を潜めた。

2015年度は設備投資、輸出が伸びる、あるいは原油安が好影響をもたらすという意見もある。しかし、昨今の国際通貨基金(IMF)による世界経済成長率予測の下振れをみても、中国、ユーロ圏などからの外需に楽観はできない。現状で恒久増税である消費税増税(5%から8%へ、2014年4月実施)の負の影響は根強く、少なくとも2015年度の前半は国内総生産の6割を占める消費が浮上してこない可能性が高い。

解決策は、アベノミクスの再起動と改善である。その要点はリフレ・レジームの再確認と進化だ。しかし、再起動には工夫が必要である。

当初アベノミクスが登場し市場が大きく反応した理由には、安倍政権が、民主党政権、旧日銀的思考法と決別し、経済成長促進的な構えを打ち出したことが大きかった。それによって、いわゆる政策のレジームが、デフレ容認的なものからリフレーション的なものへと転換した。   続く...

 
 

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 12月30日、早稲田大学の若田部昌澄教授は、内需、外需ともに日本経済は決して楽観できる状況にはなく、アベノミクスの再起動と改善が必要だと指摘。提供写真(2014年 ロイター)

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