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【日本人の座標軸(24)】講演後に国旗に敬礼した「零戦パイロット」

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【日本人の座標軸(24)】
講演後に国旗に敬礼した「零戦パイロット」

「零戦パイロット講演会」で講師を務める元操縦士の笠井智一さん

 百田尚樹さんの小説『永遠の0』が450万部も売れ、映画にもなったことはご存じのことと思う。

 0戦(零戦が正しい)パイロットとして空中戦を戦った笠井智一氏の講演を聞く機会に恵まれた。今年、米寿を迎えられたそうだが、背筋はピンとしていて、とても張りのある声で話された。概要は次のとおりである。

 《私は兵庫県篠山町の生まれで、篠山中学(現篠山鳳鳴高校)の時、先輩の小谷雄二大尉の講演に感動し、4年で海軍航空隊を志願し、甲種予科練に合格しました。1942年に土浦航空隊に入隊しました。

 ♪若い血潮の予科練の 七つボタンは桜に錨…という日本海軍「若鷲の歌」で知られる海軍航空隊に入隊したんです。その後、操縦士不足のため、戦闘機操縦課程を20日間で卒業しました。グアム・ペリリュー島・ヤップ島・サイパン島沖で戦い、沖縄戦が始まると鹿屋飛行場から米軍機の撃墜に出撃しました。鹿屋を離陸後、エンジントラブルでサンゴ礁の中海に不時着し、必死で泳ぎ、やっとのことで現地人に助けられました。

 皆さん、特攻機が敵艦に激突して沈没させるときは横から激突するとお思いでしょうが、それでは対空砲火にあっておしまいです。標的の敵艦を見つけたら真上から真っ逆さまに突撃するのです》

 驚いたのは、数々の戦闘に入った年月日をきちんと覚えておられたことである。両手を使いながら臨場感あふれる講演であった。笠井さんはあとで述べる坂井さんとともに、もう一人の撃墜王であった。

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