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【関西の議論】
中国から大量注文の「ランドセル」シェアトップは播州の企業…秘密は日本でしか作れない機能性
一昔前ならランドセルの色は黒と赤が相場だったが、現在ではピンクや水色、緑、茶色などとカラフルに。さらには、さまざまな柄のおしゃれなモデルも目立つ。
意外な需要にわき立つ業界
こうしたランドセル業界を引っ張っているのが、全国で6割近くのトップシェアを誇る大手ランドセル製造会社「セイバン」(兵庫県たつの市)だ。
同社は昭和21年にランドセル生産を開始。かつては重さ約1キロのランドセルが主流だったが、平成5年に総重量740グラムのランドセルを開発。ギネスブックに「世界一軽量」と認定された。現在ではさらに軽量化を進めて、640グラムのものまで登場している。
同社の名前を全国区に押し上げた商品が「天使のはね」シリーズ。平成18年からは、NHKの子供番組「おかあさんといっしょ」でたいそうのおにいさんとして活躍したタレント、佐藤弘道さん(46)をテレビCMに起用し、「背筋、ぴーん!」というフレーズが人気を呼んだ。
だが、少子化の影響で国内のランドセル需要の限界が指摘されるなか、誰もが予想していなかったところから新たな需要を掘り起こすことになった。
外国人観光客の間で日本製ランドセルがブームになり、お土産に買っていく人が急増したためだ。
日本の人気テレビアニメ「ドラえもん」「名探偵コナン」などが海外で放送されており、登場人物らがランドセルを背負う姿が外国人観光客らに影響を与えたとみられる。関西国際空港(大阪府泉佐野市)の免税店では関係者が驚くほどのヒット商品となり、大丸梅田店(大阪市北区)は平成27年の初売り出しに訪日客向けにランドセルの福袋を販売することを決めたほどだ。