トップダラー禍津が今年観た映画/2014年ベスト10&ワースト5+α
さて今年もブログ納めの挨拶代わりに今年観た映画ベスト10とワースト5それにプラスアルファを発表させていただこうかと思います。
今年の鑑賞本数は新作旧作公開未公開初見再見すべて合わせて266本でした。うち9割ほどの内容をもう忘れているところが最高にROCKだと思います。主に頭が。
こんなブログでももう何年も更新していると(前ブログや前サイトを含めるともう二桁年……)自然と観る映画も渋好みになってきたというか、ちょっとした察知能力が身についたというか、端から自分に合いそうにない映画は観に行かなかったり、あと優先順位として新作ひとつ観に外出するよりも自宅で旧作みっつ観る方をチョイスしたりと、随分といびつ且つ素直でない鑑賞方法でこましてきた1年であったので、あなたの好きなあれやこれやそれがランクインしていなかったり、あなたが嫌いななにがしがランクインしていたりする懸念もあるかも知れませんが、これから発表するのはわたくしのランクであるという事を念頭にご笑納いただければ幸いです。主に頭が。
以下は参考までに。
トップダラー禍津が今年観た映画/2010年ベスト&ワースト10!
トップダラー禍津が今年観た映画/2011年ベスト&ワースト+アルファ!
トップダラー禍津が今年観た映画/2012年ベスト10&ワースト!
トップダラー禍津が今年観た映画/2013年ベスト10&ワーストα
それでは、まずベスト10から参ります。
10位:『バーバリアン怪奇映画特殊音響効果製作所』
感想:
録音中につき、業務が黒色でもお静かに 『バーバリアン怪奇映画特殊音響効果製作所』
短評:
真説・怪奇映画の舞台裏! そこにはブラック企業もかくやの精神を追い詰められていく人があり、スラッシュ音を作るに用いられるキャベツがあったのだ! 肝要な製作中の怪奇映画の画面を一切見せないで(でも台詞は聞こえる)想像力を掻き立てるのも良し。
9位:『The Darkest Corner of Paradise』
感想:
闇社会に憑かれる『The Darkest Corner of Paradise』は現代のトラヴィス・ビックルを生み出すか
短評:
デヴィッド・リンチ・ミーツ・マーティン・スコセッシ、てなイメージ以て製作されたのか否かはよく知らないが、下層に生きる人が奇妙な出来事から不条理な事に巻き込まれるノワールとして存分に楽しめた。日本公開未定。輸入盤で観た。
8位:『アデル、ブルーは熱い色』
感想:
半神、私の女 - 『アデル、ブルーは熱い色』
短評:
レンタル盤では貝合わせシーンカットという憂き目に遭ったものの、一人の人間の抑圧を解放する神話としてまたLGBTについて一考を促す人間劇として計算されたビターな物語。
7位:『アクト・オブ・キリング』
感想:
『アクト・オブ・キリング』 - 殺人者の奇妙な肖像、虐殺の奇妙な再演
短評:
「共産主義者を処刑するのに何故絞殺具を使うのか?」「血がぶち撒かると掃除がめんどくせえからズラ!」という遣り取りにすべてが集約できるようでいて、でも最後の最後に……。というインドネシアでの100万人規模の大粛清の「再演」を求めたドキュメンタリ。現代のモンド映画と言っても過言では無かろう。
6位:『戦火の愚かなる英雄』
感想:
聖者の行進 - 『戦火の愚かなる英雄』
短評:
今年観た未公開映画の中ではベスト3に入る傑作。少年と従軍経験者の友情、保身に走る有力者たちの醜さ、あとナチの無茶な要求。誰が、誰に、何を要求したか。そしてその背景に何があるか、噛み締めれば噛み締めるほど味が出る。
5位:『私の男』
感想:
『私の男』 - 邪淫と氷雪の父娘、そして少女崇拝
短評:
時間軸を原作から大胆に変更しつつ、その邪淫を美しく撮影した桜庭一樹原作映像化作品の最高峰。二階堂ふみにも浅野忠信にも芳醇な色気がある。
4位:『闇のあとの光』
感想:
『闇のあとの光』 - 子供はある日サタンの夢を観る
短評:
マジック・リアリズムって言えば何でも許されるんじゃねえぞ、この野郎! と憤慨しているんだか魔術的リアリズム表現に圧倒されているんだか自分でもよく判らないうちに素晴らしい(人によっては笑ける)ラストシーンがやって来て何かこう、負けた気分になった。完敗。今年一番の性器露出映画でもある。
3位:『ベイマックス』
感想:
『ベイマックス』 - ベイマックス、もう大丈夫だよ
短評:
ハートウォーミングな宣伝に騙されたという向きをよく見かけるのだが冗談じゃありません。最後までハートウォーミングな映画です。久々に映画に対して素直になれた上、これまた久々にワガの幼年時代に話を重ねてしまった。今年の劇場締めとなった作品。
2位:『アウトサイド・サタン』
感想:
神か魔か。奇跡の男の物語『アウトサイド・サタン』は今年の暫定No.1映画
短評:
ブリュノ・デュモンが現代のタルコフスキーとしての道を歩み始めた第一歩。第七芸術として娯楽作品として一切の文句の付け様がありません。
1位:『リヴァイアサン』
感想:
『リヴァイアサン』 - 母なる海洋、或いは怪物のはらわた
短評:
映画のはらわたは怪物だった! 新世代の、新手法による、新しい映画の嚆矢であり、モンド映画に連なる文脈ながら暴力的な映像がただひたすら繰り返される地獄体験。この犯行がこれからスタンダードになっていくのか、それとも新春の一茶話として消費されてしまうのか興味は尽きぬところである。
という事で、今年のベストテンは、
1位:『リヴァイアサン』
2位:『アウトサイド・サタン』
3位:『ベイマックス』
4位:『闇のあとの光』
5位:『私の男』
6位:『戦火の愚かなる英雄』
7位:『アクト・オブ・キリング』
8位:『アデル、ブルーは熱い色』
9位:『The Darkest Corner of Paradise』
10位:『バーバリアン怪奇映画特殊音響効果製作所』
と、なります。
あと、惜しくもランクインを逃した作品、または個人的に応援したい、嫌いではない作品も10本挙げておきます。順不同。
『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』
感想:新約ボディ・スナッチャー - 『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』
『ハイキック・エンジェルス』
感想:あっ学校がテロリストに占拠されたっ! - 『ハイキック・エンジェルス』
『神さまの言うとおり』
感想:『神さまの言うとおり』 - イーカロス・ハイ
『スティール・コールド・ウインター ~少女~』
感想:凍結湖に舞う少女 - 『スティール・コールド・ウインター ~少女~』
『ぼっちゃん』
感想:新約・秋葉原通り魔事件 - 『ぼっちゃん』
『ストリートファイター 暗殺拳』
感想:殺意の波動、と君が言った - 『ストリートファイター 暗殺拳』
『吸血(Sanguivorous)』
感想:暗黒舞踏と吸血鬼の狂宴『吸血(Sanguivorous)』は現代の稀人譚だ
『父の秘密』
感想:喪失以後の世界に、父娘が抱えた地獄 - 『父の秘密』
『白ゆき姫殺人事件』
感想:『白ゆき姫殺人事件』 - インターネットドローム――或いは現代のビデオドローム
『魔女の宅急便』
感想:『魔女の宅急便』 - いつか抱えるノスタルジア
……と、落ち穂拾いも終えたところで、2014年ワースト5も発表します。
5位:『ガール・ファイトクラブ』
感想:ビッチファイトレディゴー 『ガール・ファイトクラブ』
短評:もうジャケも見たくない。
4位:『エクソシスト・キルズ』
感想:悪魔祓い師、肉体派 - 『エクソシスト・キルズ』
短評:もう名前も見たくない。
3位:『ザ・エンド』
感想:退屈な終末に 『ザ・エンド』
短評:観た事を忘れ去りたい。
2位:『中二病のえじき』
感想:もういいから 『中二病のえじき』
短評:やめろ、こっちに近寄るな。
1位:『フランケンシュタイン・リポート』
感想:北極の影 『フランケンシュタイン・リポート』
短評:ウギャー(発狂したらしい)。
以上、トップダラー禍津が今年観た映画/2014年ベスト10&ワースト5+αでした。
これを持ちまして2014年のブログ納めとさせていただきます。それでは皆様方、来世に期待して良いお年を!
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