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電力会社による事実上の再生可能エネルギーの買取拒否を受けて、経産省が対応策なるものを出してきた。

この対応策そのものがいい加減で話にならないのだが、対応策の前提として、経産省と電力会社が出してきた「再生可能エネルギーの受け入れ量」なる概念がめちゃくちゃだ。

少なくとも再生可能エネルギーの導入が進んでいるヨーロッパや北米で、人工的な「受け入れ可能量」なる考え方はない。

ヨーロッパや北米では自然エネルギーによる優先的な給電が行われる。そして、もちろん、再生可能エネルギーの導入が進んでいるので供給が需要を追い越せば、出力抑制はおこなわれる。

しかし、365日24時間のなかで出力抑制が行われた時間の割合は、スペインで0.46%(2010年)、イタリア1.24%(2012年)、イギリス1.6%(2013年)にすぎない。

ヨーロッパは相互につながっているから融通しあえるのだという人もいるが、スペイン、イタリア、フランスの発電量の合計が日本全体と同じぐらいの大きさであることを考えると、日本の電力各社も相互に相当融通しあえることになる。

自民党のエネルギー政策議連でイギリスから招いた専門家は、ヨーロッパよりも再生可能エネルギーの導入が遅れている日本で、物理的な受け入れの制約は起きるはずがなく、受け入れに問題が起きるのは制度からくるものだと論理的に説明していた。

今回の受け入れ量は、「ベースロード」と称する原発や地熱をフルに利用し、その残りに「ベースロードではない」再生可能エネルギーを受け入れ、差分を火力発電で調整するという前提で、再生可能エネルギーを受け入れることができる量だという。

そのベースロードである原発は、老朽原発を含め全ての原発を最大限に稼働させるという前提だ。

自民党の公約である「原発依存度を可能な限り低減させる」とそもそも考え方が食い違っている。

しかも2021年度までは完成しない大間原発や再稼働は難しい日本原電の東海第二まで計算に算入されている。東北電力は、東京電力の柏崎刈羽の電力まで算入している。

それでいて、電力会社間の連系線の利用は無視されている。

太陽光や風力の発電量は、過去の実績値でも何でもない想定出力を使い、過大に想定されている。

やはり電力改革をきっちりと推し進めなければ。自民党のエネルギー資源調査会やその傘下の再生可能エネルギー小委員会の幹部会でもこのままの受け入れはできないという結論に達している。

年明けに、きっちりと自民党案が議論されることになる。

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