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【大阪ファッションを探せ(4)】
やっぱりヒョウが好き?(上) 敬遠、いまや絶滅危惧種
大阪の女性たちは、昔から派手好みだったらしいことが分かってきた。そして今、多くの人が大阪と聞いて思い浮かべるのが「ヒョウ柄のおばちゃん」。そんなステレオタイプな印象だけで大阪ファッションを語れるはずがない、と反発心を覚えるが、まずは実態を調べてみる必要があるだろう。大阪でヒョウ柄を身につける女性は、本当に多いのだろうか。 (加納裕子)
商店街を歩いてみたが
「ヒョウ柄のおばちゃんが多いのは、千林商店街と天神橋筋商店街。千林商店街の方が圧倒的に多い」
大阪に長く住む先輩記者の証言を基に、まずは大阪市旭区の千林商店街へ。昼過ぎの商店街は買い物客でにぎわっているが、予想に反してヒョウ柄を身につけた女性は一人もいない。
ヒョウ柄の服を店頭に飾っている店は、隣接する今市商店街に2軒あるだけ。うち1軒の女性店主は「ヒョウ柄の人なんて今はおらんやろ」と笑った。
店主によると、かつては多かったという。だが、テレビで揶揄(やゆ)を込めて語られるようになり、ヒョウ柄の服を着ていると、子供に「あっ、大阪のおばちゃんや」と指さして笑われるように。今はほとんど着る人がいなくなったという。
意外に思いながら、大阪市北区の天神橋筋商店街へ。店頭にヒョウ柄の服を掲げた「なみき洋品店」の婦人服担当、古谷眞由美さん(52)は「大きなヒョウの顔入りTシャツは、週に何枚か出る売れ筋商品」とほほえんだ。