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患者の延命中止手続き 3学会が統一指針
12月30日 6時11分

治療をしても回復の見込みのない終末期の患者の延命措置を中止する際の手続きについて、治療に当たる医師らが所属する3つの学会が、これまで学会ごとに異なっていた指針を改め初めて統一の指針を作成しました。

統一の指針は日本救急医学会、日本集中治療医学会、それに日本循環器学会の3学会が共同でまとめたもので、回復の見込みのない患者の延命措置を中止する際の手続きなどが定められています。
3つの学会はこれまで個別に指針を設けていましたが、たとえば患者が終末期かどうかの判断では複数の医師が行うのか、担当医の判断を踏まえ病院内の検討会で合意を得るのかなど学会ごとに異なり、混乱を招くと指摘されていました。
今回作成された統一の指針では、終末期かどうかの判断は、複数の医師と看護師などからなる医療チームが行うと定められ、医学的に脳死と診断された場合や治療を続けても数日のうちに死亡すると予測されるなどの場合を「終末期」と定め、患者や家族が希望する場合には人工呼吸器や人工透析などの延命措置をやめることができるとしています。
また、医療の進歩で患者に意識があるのに終末期と判断される場合も出てきていることから、患者に意思決定能力がある場合も対象に加えたほか家族の心のケアの必要性についても初めて明記されました。
統一の指針をまとめた日本医科大学の横田裕行教授は「患者や家族の意思を最大限に尊重したうえで、尊厳を損なう延命措置を続けないですむよう、それぞれの医療機関で対応する際の道筋として役立てて欲しい」と話しています。

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