DDoS攻撃:大量データ送りダウン 闇サイトに代行業者

毎日新聞 2014年12月30日 07時00分(最終更新 12月30日 07時33分)

ルーターを悪用したDDoS攻撃
ルーターを悪用したDDoS攻撃

 ◇「ルーター」の悪用目立つ

 DDoS攻撃の手口として最近目立つのは、インターネットに複数の端末をつなげられる装置「ルーター」の悪用だ。一部の家庭用ルーターは、他のルーターなら受け付けない外部からの通信に応答してしまう欠陥があり、攻撃者がそのルーターを経由して標的となるサーバーに信号を送ると、データが数十倍に増幅される。

 警察庁は全国の警察施設のインターネット接続地点に設置したセンサーで常時ネットの状況を観測している。ルーターを悪用したDDoS攻撃とみられる不審なアクセスは今月22日、今年(今月23日現在)最高となる73件を数えた。警察庁が2月1日〜11月12日に国内でDDoS攻撃の踏み台になったと考えられる機器の種類を分析したところ、約87%はルーターだった。

 攻撃者は無差別にデータを送信し、欠陥のあるルーターを見つける。その上で欠陥ルーターを踏み台にして標的を襲う仕組み。ルーター内部のプログラムをアップデート(更新)したり、設定を変えたりすれば防止できるケースもあり、同庁の担当者は「メーカーのサイトなどで確認してほしい」と話す。【長谷川豊】

 【ことば】DDoS攻撃

 情報を管理するサーバーに大量の問い合わせをし、返答先を標的となる別のサーバーに指定するなどして機能を停止させるサイバー攻撃。2009年には米国や韓国の政府機関のサイトが、10年には警察庁や防衛省などが攻撃された。北朝鮮のネットが今月23、24の両日停止したのも、DDoS攻撃によるもの、との指摘がある。攻撃元を特定されないよう、他人のパソコンをウイルスに感染させたうえで攻撃する手法などがある。DistributedDenialofService(分散型サービス拒否)の略。

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