2014年のベスト映画ポスター10選
今年の映画の中でも一番素敵なポスターをご覧あれ。
Tumblrでは美しい映画ポスターを「今日の映画ポスター」として毎日投稿するアカウントで有名なエイドリアン・カレー。Mubiの映画デジタルマガジンNotebookでは彼女の選出した2014年のベスト・映画ポスターが掲載されています。映画ポスター好きなカレーが選んだ今年最高のポスターはどの映画のものでしょうか?
1.「FRANK -フランク-」
レニー・アブラハムソン監督による、あの超絶かっこいいマイケル・ファスベンダーがずっと被り物をかぶっているコメディ・ドラマ映画です。70~80年台に活動したイギリスのコメディアンでミュージシャンのクリス・シエヴィーが「フランク・サイドボトム」として活動するときにかぶっていた変な被り物にインスパイアされた映画です。
2.「Pulp: A Film About Life, Death & Supermarkets」(仮訳「パルプ:人生、死とスーパーマーケットに関する映画」)
78年に結成され、「顧問ピープル」一世代を築いたイギリスのロックバンド、パルプ。2002年に解散し、2011年に再結成したこのバンドの生まれ故郷であるシェフィールドで撮影されたのがこのドキュメンタリー映画です。バンドメンバーやシェフィールドの町の人々、そしてパルプがシェフィールドで最後のコンサートを開くまでを、ニュージーランド出身のフロリアン・ハビヒト監督が描いています。ポスターはエリオット・カルドナによるデザイン。なおアメリカ版ではこの美しいポスターは使用されておらず、シェフィールド住民のおばあさんたちを配したものに。
3.「ボーグマン」
オランダの鬼才アレックス・ファン・ヴァーメルダム監督による「ボーグマン」。国際版ポスターはたくさん制作されているようですが、エイドリアン・カレーが選んだのはこの一枚。ブランドン・シファーによる暗雲漂う銀板写真風のポスターです。
4.「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」
今や誰もが知るスターとなったスカーレット・ヨハンソン主演のSFスリラー映画。でも「アベンジャーズ」のようなコッテリしたハリウッド式のポスターではありません。ニール・ケラーハウスによる宇宙感漂うポスターと、アキコ・ステーレンバーガーによる流動的かつ体内の映像にも見えるポスター(こちらは最終的には使われなかったのが残念)が選ばれました。
5.「Das merkwürdige Kätzchen」(英題『The Strange Little Cat』、仮訳「奇妙な子猫」)
ベルリンのフラットでの(猫のいる)日常を垣間見る事ができるラモン・ズルヒャーによる映画です。マラ・ディエナーの水彩画で描かれたこのポスターは、本国ドイツでも米国公開時にも用いられました。
6.「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」
ティム・バートン監督版『バットマン』のバットマン役で知られるマイケル・キートンが、「昔ヒーロー映画シリーズで主役を演じ有名だったが落ちぶれた」という主人公を演じるという、セルフパロディ的な要素も持つ映画です。撮ったのは「バベル」でカンヌ国際映画祭監督賞も受賞したアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督。配給元のFox Searchlight Picturesによるデザインはレトロでスタイリッシュ。『バットマン』や『スパイダーマン』のように高所から町を見下ろすバードマンが描かれています。
7.「Memphis」
歌手ウィリス・アール・ビールが主役を演じる、ティム・スットン監督による音楽映画『Memphis』(メンフィス)。この作品のポスターとなっているこの写真を撮影したデザイナーのキャスパー・ニューボルトは、BlackBookとのインタビューで、ティム・スットン監督とのコラボについてこう語っています。
僕は映画撮影の最後の2週間、セットに招待されたんだ。スチルカメラを手に、招待されてただそこにいて全てを吸収してということでね。この時点では、僕の撮ったスナップショットが映画のスチル写真としてではなく、この映画のポスターとして使われるとは知らなかったんだ。ここで重要なのは、僕はよく、カメラが回されていない時に写真を撮っていたということ。僕はテイクの合間合間に、俳優たちがただメンフィスに居て、暑さと戦ったり、次のシーンをどうするか悩んだり、クルーと馬鹿話をする情景を撮ってたんだ。
それが功を奏したのか、とても素敵なポスターになっていますね。
8.「グランド・ブダペスト・ホテル」
独特のスタイルで知られるウェス・アンダーソン監督の最新作は、レイフ・ファインズ、エイドリアン・ブロディ、ジュード・ロウなどなど超有名俳優がちりばめられた作品ですが、ポスターには一人も出ていないのがまた素敵です(後にスターばかりで構成されたバージョンも出ていますが)。デザインはアニー・アトキンスによるもの。
9.「Actress」
ロバート・グリーン監督のハイブリッドドキュメンタリー、「Actress」(アクトレス)。グラマスな女優業と、単調な田舎町での生活のバランスを取りながら生活する女優を、ブランディ・バル主演で描いた作品です。ローラ・バランによるポスター画は、平凡な日常の一コマをドラマティックに切り取ったものとなっています。
10.「Red Army」
このガブ・ポルスキー監督の『Red Army』(レッド・アーミー)は、冷戦時代のソビエト連邦のアイスホッケーチームに関するドキュメンタリーです。カンヌ国際映画祭でのプレミア上映のために作られたこちらのポスターはソ連のプロパガンダポスターっぽくなっていますが、それもそのはず、この作品ではアイスホッケーのソ連のプロパガンダとしての側面が描かれているのですから…。
ちなみにガブ・ポルスキー監督は、最近ジェニファー・ローレンスの新たな恋人となったとされる色男です。
どれも壁に飾りたいような素敵なポスターでしたね。皆さんのお気に入りのポスターも選出されていましたでしょうか?
Adrian Curry - MUBI - Gizmodo US[原文]
(abcxyz)
- アンダー・ザ・スキン 種の捕食(字幕版)
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