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 中部電力は、武豊火力発電所(愛知県武豊町)で、排出される二酸化炭素(CO2)を地中に封じ込める新技術「CCS」を導入する検討に入った。発電所の建て替えに合わせて必要なスペースを確保する方針。今後の実証試験や実地調査で有用性が確認されれば、導入に踏み切る見通しだ。CCSは地球温暖化対策で注目され、電力大手で導入構想が明らかになるのは初めて。

 中部電は古くなった武豊火力の建て替えを準備中。燃料を石油から石炭に切り替え、出力100万キロワットとする。2021年度の稼働をめざしている。敷地内で、CO2を分離・回収、注入するCCSの施設を建てられる場所を確保した設計にする方針だ。

 浜岡原子力発電所が長期間止まっている中部電では、代わりに石炭火力に力を入れている。石炭火力は発電コストが比較的安いが、CO2の排出が多いのが難点。この対策となるCCSが実用化されつつあるため、導入を準備しておくねらいがある。