ギリシャ大統領決まらず議会選挙へ12月29日 21時07分
ギリシャの議会で次期大統領を決めるための投票が否決され、議会選挙が実施されることになりました。
ユーロ危機の発端となったギリシャで再び、政局が混乱することへの懸念から、ギリシャやイタリアなどの株式市場では株価が下落しています。
ギリシャの議会では今月、次期大統領を決めるための投票が2回にわたって行われましたが、サマラス首相が指名したディマス元ヨーロッパ委員会委員は、いずれの投票でも定数300議席のうち、当選に必要な3分の2の賛成票を得られませんでした。
29日に行われた最終投票では、選出に必要な票数が180に引き下げられましたが、賛成票は168票と必要な票数に届かず、否決されました。
これを受けて、ギリシャの議会は年明けにも解散し、選挙が実施されることになりました。
ギリシャはユーロ危機の発端となった財政危機のあと、EU=ヨーロッパ連合などの支援を受ける代わりに厳しい財政緊縮策を実施してきました。
選挙では財政緊縮策に反対する最大野党が支持を拡大しており、サマラス首相が政権を維持できるか不透明な情勢です。
ヨーロッパの株式市場では、ギリシャの政局が再び混乱することで財政再建が遅れるのではとの懸念から、ギリシャで株価指数が一時、先週の終値よりも11%、イタリアでも2.2%、それぞれ値下がりしました。
国債売られて利回り上昇
ギリシャの議会で、次期大統領を決めるための投票が否決されたことを受け、金融市場ではギリシャ国債が売られて利回りが上昇するなど、影響が広がっています。
このうち債券市場では、代表的な10年もののギリシャ国債の利回りが投票前の8%台から9.6%余りにまで、上昇しました。
ギリシャ国債の利回りは政治的な混乱がひとまず回避されているとの見方から、ことし9月までは5%台で推移していました。