JR北海道:自動の非常ブレーキ利かず運転

毎日新聞 2014年12月29日 22時17分(最終更新 12月29日 22時59分)

 JR北海道は29日、札幌−函館を結ぶ特急北斗の車両1編成を、自動列車停止装置(ATS)などの安全装置が作動しても、自動で非常ブレーキが利かない状態で運転していたと発表した。非常ブレーキは空気圧で作動させる仕組みだが、空気管の弁が閉じて空気の流れが遮断され、利かない状態になっていた。

 JR北海道によると、28日の検査で発覚。前回確認した11月28日以降、特急北斗として43回運転し、約1万3800キロを走行。乗客約1万人が乗車したが、安全装置が作動するトラブルはなかった。

 弁の開閉を操作するコックは運転席床下の機器室にあり、11月28日の整備で空気管の弁をいったん閉じた後、開いて自動の非常ブレーキが作動する状態にして針金で固定、機器室を閉じて封印シールをした。

 12月28日に札幌運転所(札幌市)で運転前の検査をした際、シールが一部はがれているのが見つかった。中を調べたところ弁が閉じて針金もなかった。

 昨年10月にも札幌−網走を結ぶ特急オホーツクで同様にコックが閉じているのが見つかった。再発防止のため針金や封印シールを導入したといい、JR北海道は「故意も含めてあらゆる可能性を調査中」としている。

最新写真特集