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 NHKの子会社で、NHKの番組台本の印刷などを担うNHKビジネスクリエイト(東京都渋谷区)で、2011年に売り上げを約1億4千万円水増しする経理上の不正処理があったことが5日、わかった。長期にわたり回収できていない売掛金もあり、同年3月末には総額約2億7千万円の特別損失を計上していた。

 同社総務部によると、不正処理は女性営業部長と同社顧問の男性によるもので、内部告発で発覚した。同社は既に部長を懲戒解雇し、男性との顧問契約もやめている。着服や横領などの事実は見つからなかったため、2人に対して刑事告訴はせず、不正経理の事実の公表も見送ったという。

 同社は、部長らが水増しを繰り返した理由を「他社との競合が厳しくなり受注が減る中で、営業成績が上がっているように見せたかったのではないか」と説明している。

 同社は印刷のほか、東京・渋谷のNHK放送センターの警備などNHKの業務支援なども担っている。役員の大半はNHKの元幹部らが務めている。