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2014.12.29 MON
アメリカの未来学者レイ・カーツワイルは、30年以内に人間の知能を超えるコンピューターが生まれると予言する。
「わたしがもっているスマートフォンは、学生のときに使用していたコンピューターより、値段は10億分の1、性能は10億倍以上の力があります。われわれは今後25年間も再び同じ進化をたどります。コンピューターの値段は、いまの10万分の1になり、大きさも血液細胞と同じくらいになるでしょう。われわれはますます世界中から多くの情報をかき集め、予測能力を高めていくことになるのです」
よく知られる「ムーアの法則」は、チップ上のトランジスタが倍々ゲームで小さくなり、チップそのものも小さくなるというものだ。チップの密度が高まることが、コンピューターの性能の向上に置換可能だと考えられている。
チップの発達の歴史は、回路と回路の隙間を細くする技術の発達と軌を一にする。配線と配線の距離を縮めることでチップはより小さくなり、処理速度も速くなった。いまでは、原子の大きさとほとんど変わらない4nmまで縮めてきた。
しかし極端に近づいたため、配線通りに進むべき電子が隣の配線に飛び出てしまい、回路から回路へジャンプする現象が起こり始めている。「リーク電流」と呼ばれるこの現象は、機器の誤作動の原因となる。高速化・極小化を突き詰めるほど、リーク電流が増えるというジレンマに陥っているのだ。
つまり、現在の技術では「ムーアの法則」は限界を迎えつつあるのだ。カーツワイル教授の予測どおり、人間の知能を超えるコンピューターが生まれるとしても、それは現在の技術の延長線上にあるとは考えにくい。
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